コスタリカのカリプソ!コスタ・リカのカリブ海沿岸にはトリニダード・トバゴ、ジャマイカ、キューバから流れ着いたアフリカ系の人々が暮らし、英語を話す地域があります。カリプソが盛んなリモン地方もそんなカリブ海沿岸地域に位置しています。本アルバムのカリプソ・ジャズ・バンドもそのリモン地方のミュージシャンたちが集まって結成されたグループです。
カリプソは元々その地域で起こった様々なことを歌に乗せて伝える、河内音頭の新聞詠みやキューバのグアラーチャのような要素があるので、歌い手の即興的なユーモアのセンスや演技力も重要なポイントとなります。本作の5人のレジェンド達は60代から70代の実力者達ばかりで、そのエッセンスを色濃く伝えてくれる人ばかりです。プロの歌手は2人だけ、あとは市場の従業員、漁師や野球選手が本業のセミプロというのも面白いところで、だからこその味わいがタップリ詰まっています。
その歌声は、初期カリプソやジャマイカのメント、バハマなどのグンベイなどに通じるパンカリブ的なもので、ワイルドさの中にもレイドバックした脱力感や渋い味わいが感じられるものばかりです。バックの演奏は、バンジョー、ギター、キホンゴ(Quijongo)といわれるコスタ・リカやニカラグアのたらいベース
にピアノ、メロディカや各種パーカッションが入る、これまたパン・カリブ的な編成に演奏です。
バンド名にはJAZZが使われていますが、もちろん音楽的に直接的な意味はないのですが、古いカリプソの曲に混じり、ニューオリンズやブルース的なリズムの曲も数曲やっているもの土地柄なのでしょうか。「YOU ARE MY SUNSHINE」まで取り上げています。
<以下、5人のメンバーについて>
シリル・シルバンは市場で魚屋、肉屋として40年以上働く傍らで地元で人気の「ロブスター・バンド」のリーダーを務めてきました。彼とその仲間の「ロード・コブラ・スタイル」のカリプソは本作で初めて録音されました。ロード・コブラとはパナマで人気のあったカリプソ歌手です。
エルベルト・レンキ・グリントンは、プロの野球選手で、造船所でも働きました。ラジオでブルーズやカントリーを聞きながらカリプソの作曲をしてきたそうです。
エミリオ・フニー・アルバレスはニカラグアのバンド、「バルバロス・デル・リトモ」のメンバーであり、船の機関士でした。カリブの様々な島を巡りリモンに辿りつきました。
ロベルト・コンゴマン・ワッツは、仕立屋であり床屋でありそしてミュージシャンでもあります。パナマで生活しているときにクラレンス・マルティンに出会い音楽に目覚めました。
レイナルド・シャンティ・ケントンはマグロ漁船に乗りながら、「ロブスター・バンド」でも活躍しています。
マルパイスのピアニスト、マヌエル・オブレゴンとカリプソ研究家のマヌエル・モネステルがミュージカル・ディレクションを担当。
(以上、サプライヤーインフォより)