“レイナ・デル・カリベ”(カリブの女王)と呼ばれた1930年生まれ(1926年という記述も)のドミニカ共和国出身の女性歌手、ミラグロス・ランティ。自国でラジオなどで人気を得て、スペインやメキシコにわたり、エルネスト・レクオーナやエリセオ・グレネー、アルマンド・マンサネーラらとも交流し、彼らの作品の最高の表現者と讃えられるようになったそうです。特に、本アルバムにも収録されたグレネー作アフロ系の子守歌「ドゥルメ・ネグリータ」の典型的な歌唱方は、このランティが元だったそうです。プエルトリコのルス・フェルナンデス、メキシコのトーニョ・ラ・ネグラに相当する、ラテン世界のアフロ系芸能を代表する存在だったようです。その後、彼女はブラジルに移住し、2017年6月に86歳で亡くなったそうです。
お聞きいただくと解ると思いますが、ミラグロス・ランティ、本当に歌がうまいです。アフロ色濃厚なものから、マンボ、ボレロ、サンバ、ジャズ的なスウィングする曲まで、どの曲も実にいきいきと素直な歌唱で歌い切っています。過剰な表現もほぼ皆無なのも素晴らしい。ラテン・ファンにはお勧めしたいアルバムです。
録音は、メキシコRCAで、バックは、マリオ・ルイス・アルメンゴル、マリオ・パトロンのオーケストラ。メキシコの一流楽団ですね。原盤は、1950年代半ば頃の録音だと思われるRCA Victor – MKL-1297で、曲順はシャッフルながら全曲収めたストレート・リイシューです。マニアには嬉しい復刻です。
盤起こし?と思われますが、ノイズもほぼ聞かれず、音質も解像度よく仕上げています。紙スリーブ・ジャケに、レコードに模した黒色CDが封入されています。(サプライヤーインフォより)
1. Beguine Con Mambo (Yoyo Casteleiro)
2. Murió la Reina (Rafael Hernández)
3. Voy a Apagar la Luz (Bolero) (Armando Manzanero)
4. Drume Negrita (Eliseo Grenet)
5. Egoismo (Bolero) (Moisés Zovain)
6. Enamorado, Enamorado (Julio Gutiérrez)
7. Solo Quiero Pensar en Ti (Mario Ruiz Armengol, D. Cabrera)
8. Samba de Orfeo (Luis Bonfá, Antonio María)
9. Las Notas de Mi Canto (André Dual, M. Molina Montes)
10. Yo Soy Mulata (Bullumba Landestoy)
11. Rufúgiate en Mí (Bolero) (Abel Domínguez)
12. Cha Cha Cha Rock (R. Gómez Kemp)