ジンバブウェとの国境地帯を流れるザンベジ川の流域に住まうトンガ人(バントゥー系)による、ハンドメイドのギター&ベース&ドラムセット、そして各種打楽器から成る生音バンドということで、以前、オランダSWPからリリースされていた>>『ザンビア・ロードサイド』あたりを愛聴されている皆さんなら、ああ、あーゆう感じね、と思われるかも知れませんが、まあ、そーゆう感じです。ただし、ロードサイドのバンドでありながらこのマションベは、ザンビアといえどまばらにはナミみいるだろう電化バンドを差しおいて、南部ザンビア/ザンベジ流域のみならず全国区の人気を博しているとのこと。で、試しに googleしてみると wikipedia にもあるじゃありませんか!
というようなことはともかく、このマションベ・ブルー・ジーンズ、うまいか下手かといえば、下手でしょうな、やっぱり。同じく手作り楽器ということになると、スタッフ・ベンダ・ビリリとかコノノNO.1とか、そういうキンシャサ一派が広く知られるようになりましたが、その辺と較べてみても、もっと素人っぽいかも知れません。曲ごとの変化にも乏しいと言わざるをえません。が、ひとあし先に聞いていただいたあるお客さま曰く、ヒュー・トレイシー・コレクションのギター・ミュージックがそのままバンド・スタイルになって現代にあらわれたみたいですねえ、とのこと~まったく言い得て妙かと思います。
コンゴリーズ・ルンバのダンス・パートのようなバスドラ風リズムと各種小刻みな打楽器リズムがクロスする中、ヴァイタルかつぶっきらぼーなリードが歌い、不揃いな男女混声コーラスがそれに応えます。まるでウクレレのストロークのように響くギター類アンサンブルもイイ味ですが、ベンガ・ビートを想わせるブンブンと軽快な音で演奏を引っ張って行くベースが何とも小気味イイ!(その手作りベースを指すとも、ベースやギターのフィンガー・ピッキング奏法を指すともいう“カリンドゥラ”という名が、今現在この手のバンドの音楽ジャンル名としても流通しているようですが)が、なにはさておき、~とにかく溌剌としています。その溌剌さ加減は、ちょっと現在のアフリカ音楽シーンには見あたらないほどです。野放図とでもいうべきでしょうか。