MAIRI MACMILLAN / GLASCHU – SONGS TO A CITY

もう4年も前のことですが、スコットランド西岸沖の南ウイスト島から届いたマイリ・マクミランのゲール語伝承歌集には、心が洗われるような思いをしました(だからって、その後、キレイな心になったとも思えませんが)。そのマイリ・マクミランの新作が、やっと届いて、改めて、また心洗われる思いをしています。

それは去年のことだったそう、南ウイスト島に生まれたマイリですが、彼女自身、過去30年の間、暮らしていたというスコットランドの港湾都市、グラスゴーへ再び訪れたそうです。彼の地で催されたゲール語芸術育成プログラムに参加するために訪れたそうですが、その地で過ごした長い時間が、再訪をきっかけに彼女の中で歌として、実った、ということでしょうか。

ゲール語芸術育成プログラムを通して、第二の故郷グラスゴーを自分の歌にできないものかと考えたマイリが、同じくプログラムに参加していた他の参加者、ハイチ出身の女性音楽家、ジャーマ・アダン(ギター&擦弦楽器)と、サックスのマット・カーマイケル、そして、ピアノのロリー・マセソンの共感を得、4者の芸術育成プログラムのテーマとして、共同作業の中で生み出したのが、この新作アルバムとのことです。
それは、言わば、マイリがグラスゴーで過ごした30年の日々への、歌として、音楽として成った回想録みたなものかも知れません。

変わらず、マイリの陽射しに透けて聞こえるような仄暖かい歌が、素晴らしいですねえ。それにしても、弦と管と鍵盤の3者の演奏において、どうしてこんな音が出せるのかよくわからない、静謐でいながら生彩に満ち、重奏的であって風通しのいい伴奏を得て、マイリの心のグラスゴーが、こっちの空にも広がるように聞こえたかも知れません。

1.Glaschu (Glasgow) 05:32
2.Làithean Geala (Serene Days) 04:44
3.Gaol am Pàirc na Banrìghinn (Love in Queen’s Park) 04:37
4.Banrìgh inn na Bealltainn (May Queen) 06:08
5.Uiseag (Skylark) 05:45
6.Drochaid (Bridge) 05:09
7.Ròsan fo Blàth (Roses in Bloom) 04:32
8.Seud Luachmhòr (Precious Jewel) 03:56
9.Baile Mòr nan Gàidheil (Great City of the Gael) 05:22

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