いやぁ〜2曲目”Maisha” しか聴いてなかったんですが、ほかも、聴けば聴くほど、イイじゃないですか!天国のザウォーセ翁もコレなら10点!でしょうねえ、…素晴らしいアルバムです!松山晋也さんが今年のMMベスト10入確実(by X)、と言っていた本意がわかりましたよ(〜詳しくは後刻!とかなんとか言っているうちに、bunboni さんが>こちらで、詳しく紹介されていますので、今回は、そちらを(無断リンク陳謝&感謝)!また、今月末のMM誌輸入盤紹介には、深沢センセーのレヴューも掲載されるハズです(って、わたし原田が紹介させていただこうと思ったら、既に深沢さんがコレを!と予約されていたそうなんで…)〜ということで、まったくもって他力本願、すみません、よろしくどうぞ!
1.Kuseka 04:17
2.Maisha 05:00
3.Dunia Hii 04:56
4.Lulelule 05:41
5.Fahari Yetu 05:32
6.Mapendo 04:35
7.Kusakala Kwenyungu 05:04
8.Sauti Ya Mama 04:44
9.Muheme 05:14
10.Masanja Kalila 03:54
11.Chidodo 04:21
「タンザニア、ゴゴ族の伝統を未来につなぐ娘と孫」
東アフリカはタンザニア中央部の、半ば乾燥地帯に住まうゴゴ族の音楽といえば、日本にも1970年の大阪万博を皮切りに何度か来日、日本制作のCDも発表していたフクウェ・ザウォーセが、有名です。
大型の親指ピアノ、イリンバや、弓で弾く擦弦楽器、イゼゼを自在に奏でながら、様々な声音でゴゴ族の伝統的な歌を聞かせてくれたフクウェ・ザウォーセの音楽は、世界中のアフリカ音楽ファンの間で今もって聴き続けられていると思います。
惜しくも2003年にフクウェが亡くなってしまってからも、その息子や娘たちが、今もってザウォーセ・ファミリーとして、その音楽性を受け継いで活動していることも有名です。
そして、今年になって、とうとうフクウェの孫娘もレコーディング・デビューしました。フクウェの娘さんである叔母のペンドと、その姪である孫娘のリアが、ザウォーセ・クィーンズとして登場しました。何はともあれ、代々ファミリーで受け継がれることが、当たり前でもあるタンザニア、ゴゴ族の音楽が、もう一歩、未来に踏み出したことを実感できる素晴らしい作です。
と、それでは、お聴きいただきましょう。
ザウォーセ・クィーンズの、曲名は “マイシャ” です。
う〜ん、なんか、世界一イケてる叔母と姪、という感じじゃないでしょうか?
親指ピアノのイリンバや、弓奏楽器のチゼゼ、ほか、シャイカーや打楽器に加えて、大胆にエレクトロニックな音も導入したこの曲、きっと天国のフクウェ翁も踊りながら聴いていることでしょう。
踊れないわたしも、つい、ひとり、ギコチない動きを繰り返せざるを負えませんでした。
この曲、叔母と姪のデュエットで、こんなことを歌っていました(意訳ですが)。
イェー、父さん、母さん
イェー、父さん、母さん
悲しいことがある
とっても、苦労している
大変なんだから、
ハッスルするのは、なかなか大変
仕事も、人生も大変なの
でも、わたしたち、がんばっているよ
がんばっている
わたしたち、より良い生活を目指している
わたしたち、お金も欲しい
わたしたち、毎日、大変なの
あ〜あ、お腹が空いた
なんともシンプルというか、ダイレクトというか、実に単刀直入、あっけらかんとした意味内容ではありますけど、こーゆー歌、今時、なかなか、生まれないんじゃないかと思います。特に今の日本あたりでは…?
決して、茶化しているわけではないんですが、何と言えばいいでしょう?例えば、古くから人間の生活のなかにある欲求や飾らない気持をキープし続けることが、古くからの祖先の音楽を、生き生きと継続させていくことの必須条件、なのかもしれないなあ? なんて、単純に思ってしまいました。
日々向かいあってイリンバやイゼゼを奏で、微妙なポリリズムに身を任せ歌を重ねて行く、その繰り返しの中の阿吽の呼吸があってこその「あ〜あ、お腹が空いた」という歌の言葉でしょうね、
そこにあるのは掛け値なしの継続する伝統であり、打ち込みビートでブレイクしつつ「わたしたち、毎日、大変なのよ」と言い交わす姪と叔母が伝統を刷新しているわけですね!
で、これも、決して茶化してるわけではないんですが、たぶん「いかにして、未来の伝統音楽を演じるか?」とか、そーゆーことに、あんまり拘っていない二人だからこそ、こうした作品を生み出せたんだ、とも思えます。
〜以上、まだ、放送されてないかも知れない?NHKラジオ当方担当の小コーナー元原稿少し書き直し版です。