カーボヴェルデはサンティアゴ島の小さな内陸の町、サンドミンゴスで活動するアノ・ノボ・クァルテット。北米オスタンティーノ発売の作品ですね、全員がギターを弾くクァルテットということです(カヴァキーニョっぽい音も聞こえますが、カヴァキーニョではなく、中国製の小型ギターだそう)。そんなクァルテット・スタイルにおいて、島の伝統ダンス音楽、コラデイラを奏でて歌う新録、アノ・ノボ・クァルテットとしては初の世界発売アルバムだそうです。
メンバーの一人が世界中を音楽旅した経験から、レゲエやタンゴ、モザンビークのダンス音楽、マラベンタ、そしてキューバのソンや北米のブルースまで、ギター音楽の様々な要素を、コラデイラに溶かし込んだ演目が並んでいるとのことですが、レゲエやタンゴのリズム感はともかく、全体、隠し味と言いますか、微妙なミクスチュアーとして聞こえて来る感じでしょうか。
その録音場所に関しては、サンティアゴ島の3つの場所、それは、メンバーの自宅、そして、海辺にて、加えて、カーボヴェルデの火山の麓でも行われたそう。メンバー4人の前にマイクを設置し、そして、少し離れた場所に幾つかのマイクを散らして、音楽の場の空気感を捕らえることに努めた録音だそうですが、なるほど、波音の聞こえる曲もあり、空間的な広がりみたいなものが、それぞれの曲に感じられるのも確かかと。
小さな町の4人組ですから、プロフェッショナルとして、こなれた、というか、気の利いたというか、そうした演奏&歌唱を聞かせるアルバムではありませんが、何というか、録音ズレしていないとでもいうか…、例えばアーフリーやフォークウェイズあたりの、ローカル録音によるカントリー・ブルース・セッションにも似た、ある種、小さなコミュニティで育まれた “共同体音楽” の生々しさや親密さ、とでも言うべきものを感じさせる作品でしょうね?そんな雰囲気で、コラデイラのリズミカルな哀愁メロが楽しめる作です。
特に、45回転で2枚の12inch にギリギリ15曲を収めたと思しきアナログ盤、デジタル音源とはいえ、なかなかイイ感じに仕上げられた逸品と思われます。
1.Intro 00:26
2.Sociedad di Mocindadi 02:48
3.Tio Bernar 03:37
4.Badia di Fora 03:44
5.Maria Cze Bu Tem 03:56
6.Canta Ku Alma Magoado 03:07
7.Interlúdio 00:21
8.Elefantes 02:32
9.Mie Fogo 04:15
10.Mulatinha Vai 03:10
11.Interlúdio do Mar 00:45
12.Pascoal’s Baixo 00:56
13.Lolinha 03:47
14.Interlúdio 00:52
15.Tio Bernar (Alternativa) 05:25
▽全曲聴けます!