☆ヴォードゥー・ゲーム / オトディ
★70年代の西アフリカのストリートから掘り起こされたようなヴィンテージのグルーヴが、モダンなサウンド・プロダクションを通じて生き生きと躍動している。「3作目にしていよいよ本気を出してきたな」――そんな印象を持つのはきっと僕だけではないはずだ。(大石始)
★リーターのピーターは、ガーナからトーゴ、ベニン、ナイジェリアにかけて自然崇拝の民間信仰として広く信じられているVaudou ヴォードゥー(英語でVoodoo ヴードゥー)のシュラインで育ち、儀礼に使われる打楽器などを学んだ。
★彼が2012年に結成したヴォードゥー・ゲームは、70年代アフロファンクのテイストに、彼が学んできたヴォードゥーの儀礼音楽をミックスさせるという大胆な試みを目指した。ステージそのものがヴォードゥーの儀礼となり、圧倒的なアフロファンクのグルーヴで観客をトランス状態へと導く。
★トーゴの首都ロメにあるスタジオ”OTODI”にわざわざ70年代のアナログ録音機材を持ち込んで制作された今回のアルバムには、現地トーゴのミュージシャンも参加していて、前2作に較べても、一段と音の深みとグルーヴ感が増してきた。成熟したと言ってもいい。
★アフロ・ファンクの先達であるロジャー・ダマウザンが2曲[1][9]でゲスト参加。また彼が参加している[9]はワンコードが快感を呼ぶ呪術的ファンクナンバーでもある。70年代のご機嫌なハイライフを彷彿とさせる[8]や、二胡も加わったぞくぞくするようなストリングスが印象的かつメロウな[4]など、サウンドの多彩さはもちろんの事、間違いなく踊りたくなる。
1. Not Guilty ノット・ギルティ
2. Anniversaire アニヴァーサリー
3. Tata fatiguéeタタ・ファティゲ
4. La choseラ・ショーズ
5. Pas la peine パ・ラ・ペーン
6. Lucie ルーシー
7. Soleil capricieux ソレイユ・カプリシュー
8. Bassa Bassa バサ・バサ
9. Something Is Wrong サムシング・イズ・ロング
10. Grasse mat グラス・マット
11. Sens interdit ソンサンテルディ
12. Roberto ロベルト
13. Tassi タッシ
【Vaudou Game ヴォードゥー・ゲーム】
西アフリカのトーゴ共和国出身でフランスを拠点にヨーロッパで活躍中のピーター・ソロ率いるアフロファンク・バンド。日本でもDJなどから注目を集めているベニンのOrchestre Poly-Rythmo de CotonouやナイジェリアのFela Kuti、ガーナのEbo Taylorといった70年代アフロファンクに影響を受け、ヴィンテージなアプローチで独自の音楽を追求してきたピーターのもうひとつのルーツは、生まれ育ったトーゴのヴードゥー教にある。寺院で育ち、儀礼音楽のパーカッションを担当していたピーターの音楽には、常にその影響が色濃く反映されている。ポリリズムにエチオピア音楽にも演歌のようにも聴こえるトラディショナルなメロディが絡み合う曲とライブパフォーマンスはヨーロッパを中心に高い人気を誇る。大手フェスにも多数出演し、ライブ・バンドとしての地位を確立し今最も注目を集める。2014年にデビューアルバム『Apiafo』、2016年にセカンド・アルバム『キダユ』(AFPCD-36357)を発売し、同年のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド&スキヤキ・トーキョーに出演。その圧倒的グルーヴィーさで、観客を熱狂させた。
〜以上、メーカーインフォより