MAESTRO MICHEL DESGROTTES / Chant EMILE VOLEL

Paroles / musique / arrangements
by MICHEL DESGROTTES
Accordion  FRED FANFANT
Chant EMILE VOLEL

ハイチですね、ハイチっぽいと聞こえてはいましたが、Debs からのリリースなのでハイチに共感しているグァドループ音楽家かと思ってしまいました。
が、それにしてもそのアコーディオン(byフレッド・ファファン〜グァドループの鍵盤奏者)&エレキギター(おそらくbyミッシェル・デスグロット自身)が、あまりにも素晴らしく、歌もいかにもシャンソン・クレオールを通過したクルーナー・タイプ(by エミル・ヴォレル)!そしてマルチ器楽奏者(鍵盤&ギター、金管)であり作曲家であるというミッシェル・デスグロット(1925-1993)のアレンジがまたカリブ・クレオールの粋に通じ、本CDがミニ・ジャズ・ムーブメント以前の60年代録音コレクションだとするなら、ヌムール・ジャン=バチストやウェベール・シコーの次くらいに有名であってもおかしくはないわけで(自分のハイチ音楽知識にない人物であるという理由から)、やっぱりこれはハイチっぽいけどグァドループの音楽家だと誤判断してしまった次第。
が、考えてみれば、当時、ハイチの若手アーティストのアナログを Debs や Disques Jojo といったグァドループのレーベルは結構盛んに出していたし(マスタフル・ダイチとか、ヴァイキングスD’HAITI とか)、その後、調べてみればこのミッシェル・デスグロット、1961年にシングル録音がヒット、一時はヌムールやウェベールの楽団を脅かすほどの人気を得て、ハイチで少しばかり業界的に煙たがられた時期もあったとのこと。そうした中、グァドループに渡り、Disques Jojo あるいは Debs といったグァドループのレーベルで録音することになった? と、察することはできるかも…(同じ仏語圏だし近いし)。 シングルに加えアルバムも残しながら、Debs で専属アレンジャー&器楽奏者として仕事を請け負っていた時期もあったらしく、そんな縁で後年、アンリ・デブス(Debs)が、Debs 録音に加え、今は無き Disques Jojo の音源もまとめて編集リリースしたハイチ音楽家のヴィンテージ録音が、本CDということになるんでしょうね。
で、聴いてみれば、全21曲の中には、ハイチの初期コンパはじめ(何となくミニジャズを予感させるギター・バンド・スタイルも聞かせつつ)、シャンソン・クレオール風もあれば、ビギン、マズルカといったグァドループ・スタイルも混在しているわけで、なかなか得難いCDとなっていることも確か。というわけで、この09年リリースの復刻CD、いや〜、まだ在庫が残っていて良かったと、そう思っていただける諸兄も少なからずいらっしゃるんじゃないかと。
ところで、その後、60年代後半のミッシェル・デスグロットはハイチ音楽シーンを離脱してしまったワケではなくて、1969年にはミニ・ジャズ・ムーブメントに乗って再起、あの Bossa Combo を結成、アレンジャー、プロデューサーとして長らくコンパ全盛のハイチで80年代の終りまで活躍したとのこと。なあんだ、先にそれ言ってくれよ、ってね。

1 Pas coué ça doudou 2:34
2 Mondor 2:24
3 Ou mal tomber 3:54
4 Atiou poutiou 4:04
5 J’ai peur de vous aimer 4:00
6 Ou pas bidioul 2:59
7 Oui li belle 4:04
8 Cé pas bitin en moin 3:04
9 Bouquer souffri 2:01
10 Vini vouai yo 3:03
11 Nuits magiques 2:21
12 Bel ti plaisi 3:53
13 Ti prétentieux 4:01
14 Nou za parer 5:32
15 Pas d’adieu 3:48
16 An nous danser 3:27
17 Nez frigidaire 3:41
18 Je me meurs d’amour 4:33
19 Fouille trou 2:54
20 On ti bo par ci 3:37
21 Mariage pas pou rou 2:18

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