DEBBIE MARTINEZ / DIOS, FAMILIA Y TIERRA – LA CHICANITA, VOL. II

>★1979 recordings
>★1972 recordings

*向かって左〜DIOS, FAMILIA Y TIERRA 再入荷待ちです。

可愛い!という言葉、個人的に滅多に使わなくなってしまいましたが(この世には”カワイイ!”が溢れかえっているので)、このスミソニアン財団(英国貴族で鉱物学者のジェームズ・スミソンの遺言で、米国に寄付された彼の全財産から成り立った財団、って、今更一応)傘下のフォークウェイズ・レコーズによるカスタムメイドCDR、日頃の偏屈を曲げても、可愛い!と言わざるを得ません。
USニューメキシコ州北部の有名音楽ファミリー、マルチネス一家のお嬢さん、デビィ・マルチネス(1959-2007)は1971年に13歳にして歌手デビュー、ラ・チカニータ(”La Chicanita”)〜つまり小さいチカーノ娘と呼ばれ、それまで、男性だけが歌っていた当地のメキシコ系音楽シーンにおいて、大きな人気を博した最初の歌い手だったそうです。父親ロベルト・マルチネス作の曲を、兄ロレンソのアレンジで歌い、十代の女の子として地元ニューメキシコのチカーノ系住民の間で一つの時代を築いたローカル・スターということになるでしょう。
テキサスのコンフント・スタイルとは異なる、ニューメキシコのマリアッチ・スタイルにおいて、達者な歌を聞かせることにおいて、まずはハタチの録音、ソンブレロ姿がホント可愛い “DIOS, FAMILIA Y TIERRA” を推したいと思いますが、14歳の録音 “La Chicanita, Vol. II” も既に大人びて素晴らしい!
で、一つ言いたいことは、メキシコ本国のマリアッチ〜ランチェーラ系女性歌手一般に比べると、情感過多な歌い込みが見当たらず、より歌謡曲的?と言ってしまいたいほど、すっきりとした情緒を伝えてくれること(特に後半)。その可愛いらしい容姿にふさわしいランチェーラ、稀なりと言うべきでしょうね、当方旧譜推薦盤たる所以です。

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