ALEXANDRE GROOVES / MULTI

amanhã eu não vou trabalhar —「明日はもう働かない」、衝撃的かつ、ある意味ブラジルらしいアルバム・タイトルでデビューを飾ったサンパウロのS.S.W.アレシャンドリ・グルーヴィス。現地を中心に数々の賞や年間ベストへのノミネイトを得るなど高い評価を得た作品は、輸入盤の流通がひと段落した頃、国内盤化もされたと記憶しています。ジンボ・トリオの主宰で、デボラ&ダニ・グルジェル母子や、ト・ブランジリオーニも通ったことで知られる音楽塾 CLAM に7歳から通い、打楽器からギター、ピアノ、歌唱、コンポーズを身につけたという多才なマルチ・プレイヤー。ソロ1st「明日は~」以前に、アーバンなサンバ・ソウルを奏でるグループ – グルーヴェリアに在籍、そちらのアルバム「grooveria #1」もブラジリアン・グルーヴ愛好家のみなさんに多く買っていただきました。このグループ自体は、アレシャンドリがソロ活動のために離脱をし、ドラム奏者であるトゥト・フェハスが率いる形でライヴ盤「Avenida Brasil」をDVDと共に発表。トゥトは近年ではファンキー・ジャズ・マシーンなるプロジェクトを起動、ベースにシヂエル・ヴィエイラを迎えてアルバムを製作したりもしています。さてそのアレシャンドリが10年ぶりとなる待望のソロ・アルバムを発表しました。

ブラック・コンテンポラリーとサンバ・ソウルを根底に、生演奏の熱量と電子楽器のハイブリッド・サウンドと鮮やかなメロディ・センスと爽快さを覚えるマイルドな唄声で現代の都会的な感覚へとアジャスト。そこはかとなく流れるAORフレイヴァー、これはサンパウロ版のシティ・ポップ。

ウクレレの弾き語りで始めて、以降フル・バンドと多重コーラスをすべてひとりで賄ってしまうm-8″O que seria das flores”や、ロック・バンド、パララマス・ド・スセッソのヒット”Ska”(パト・フもmusica de brinquedoでカヴァーしてました)をソウルフルなスタイルへと編曲したm-5など新機軸を盛り込みながらも、トゥト・フェハスがdrsを叩いたm-1″É tudo gente”や、m-2″Sou louco por ela”、ドゥヂーニャ・リマ(b)、マルセロ・マイタ(ep) に管楽器が参加したm-3″Cancela” …かつて同じ釜の飯を食ったグルーヴェリアのメンバーたちとの邂逅では、アーバンなサンバ・ソウル/サンバ・ホッキのグルーヴの一角を担うべく打楽器を叩きながら唄うという、バンド内で担っていた役割に回帰をしたりもしつつ、m-6″Pra viver só com você”ではピアノ奏者ぺぺ・シスネロスやネイマース・ヂアス(b)らの弦楽に身を委ねたりもする、暖かな風が吹き抜ける日に相応しく爽快な心地よさを覚える作品。(インポーター資料から)