中華系の伝統を汲むとされるジャカルタ下町、ブダウィの大衆演芸音楽の流れ、ガンバン・クロモン～木琴のようなガンバンと、ガムランのような壺形の楽器クロモンを中心に、ルバーブなどをまじえて歌われるこの伝統スタイルを、１９７０年代にモダン化したのがこの男、“ジャカルタのトラさん”こと人気映画俳優にして流行歌手のベンニャミン・Ｓ！が、しかし、そんな達成にとどまらずして、やめときゃいいのに欧米ロックやR＆Bをごっくり飲みこみ下町風俗に染め上げて、サービス過剰の役者魂爆発路線の成り行きで、前人未到のインドネシアン・サイケデリック・ミュージックも生み出してしまったのでした！本ＣＤはそんな彼の７０年代録音から、ことさらブルースやロック～Ｒ＆Ｂ感覚色濃いアダルトでメロウ、じゃなくって、アバウトでメロメロなトラックを選曲した異色盤！コメディタッチの亜熱帯エイジアンビートが、たっぷり楽しめる優良盤です。胸焼けしますよぉ〜！