INLE MYINT MAUNG & YI YI THANT / MAHAGITA, harp and vocal music of burma

mahagita-folways “ビルマの竪琴” です。インドと中国という東方ユーラシアの2大文明の間で独特な音楽文化を育んで来たビルマ(ミャンマー)の音楽、といえば、当店的には>ソーサーダトンであったり、>サインワイン・スタイルであったり、既に熱狂的ファンになったという方も十数人ほど?存在確認可能なワケですが、基本中の基本、というか、最もシンプルでサインワイン・スタイル同様に盛んでもあるビルマの竪琴&歌手による“タチン・ギィ”(古典歌謡) 関係音源をご紹介し忘れていました。
その20世紀最高の名手とされる “ウー” インレー・ミン・マウン(1937 -2001)と、その相方の名歌手、女性 イー・イー・タン の2000年ラングーン(ヤンゴン)録音 by USフォークウェイズ盤CDを(コンピューマが愛聴しているということなので)このほど聴き返してみたら、何ともコレが地味ながら滋味あふれて素晴らしく、是非ご紹介しなければと思った次第。サンスクリット語で “マハギータ” = “偉大なる歌” と名づけられたタイトルに偽りなしのCDだと、そう思います。
が、ま、正直なところ、“偉大”という形容はあまりシックリしないような、…雨だれの音のように訥々として飾りなく、それでいて詩情あふれるサウンの演奏、そして、そのサウン演奏の何処にどう合わせているのかよくわからない、ゆったりとした風情漂う伸びやかに間延びした清澄な女声の歌、それぞれの音、声、その対比、間合いが奏でる空気感とも、しみじみイイなあ、リラックスできるなあ、と、そう思います。単なる反復というより、常に少しづつ変奏されるその流動的な反復のあり方は、よくよく聴いていると、よくわからなくなる曲の構造を保っていて(それとも即興なのか?)、そのよくわからなさも含めて心地よい、ということに?
古くは上座仏教とともにインドから伝えられたというビルマの竪琴、サウンですが(その原型となる楽器は既にインドでは消えてしまったそう)、そこには今のインド音楽との連続性はあまり感じられないし、確かに女性歌手の少しばかり不協和な高音域歌唱が、中国のある種、古典的な劇中歌に似ていないこともないけれど、中国のそれに較べれば、俄然ゆったりしていて感情的でもない、〜〜何ともビルマ古典歌謡、未だその魅力のあり方がはかり知れないところがありますが、とりあえず、オススメしましょう!


▽△収録音源ではありませんが、同コンビによる録音です。

▽で、ついでながら、“タチン・ギィ”をビルマ古典音楽風に調律されたピアノ伴奏で歌ったマーマーエーの素晴らしいmp3 も見つけたので…。(あ〜、コレ売りたい!)