PHILIPPE LAVIL / CALYPSO

俳優ロバート・ミッチャムが残した57年のキャピトル盤『カリプソ・イズ・ライク・ソウ』は、マイティ・スパロウやロード・メロディーを聞き込んだミッチャムならではの本格的カリプソ・アルバムとして有名ですが、そのジャケットのコンセプトのみならず、アルバムのテーマもパクッたというか、焼き直ししたクラシカルなカリビアンCDがリリースされています!マルチニーク出身の在仏ポップ系ヴェテラン男性歌手、その昔、マラヴォワとも共演、あのズークの歌姫ジョセリーヌ・ベロアールとのデュエットでも知られるフィリップ・ラヴィルの新作です。冒頭曲は「ジーン&ダイナ」にてミッチャム作と出だしは同じですが、ほか「ビッグ・バンブー」等を歌っているものの、大部の曲は仏語で歌われ、やっぱり、リラックスしたフレンチ・カリビアン風になっているところがミソ!全体にシャンソン・クレオールっぽい雰囲気を漂わせ、なかなか通好み、遊び心と懐古趣味に満ちた作になっているわけです。映画「マルチニークの少年」の歌い手でもあったマリジョゼ・アリやフレンチPOPシーンの新人エリザベス・アナイス、そしてスティールパンのヴェテラン、アンディ・ナレルも参加!いなせなラヴィルの歌い口、オール・アコースティック仕様のバックともども、オススメできる大人のカリビアンに仕上がっていますよ。アンリ・サルヴァドールの後釜狙い!?

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