ASPASIA STRATIGOU / TE ERGA TIS KARDIAS

2011年末の作ですが、これはオススメできます。また一人、グリーク・トラッドの新人女性歌手の登場です。~とはいえ、10代のころからアテネでアマチュア・バンドのヴォーカルだったり、長らく様々なアーティストのレコーディングでコーラスをつとめて来たようですが、そんな中でもヨルゴス・ダラーラスのツアー・メンバーとして2年を過ごしたことが、ソロ・デビューのきっかけになったようです。いかにも自己主張のない、歌に没しようとする、丁寧で落ち着いたイイ歌を聞かせる女性歌手〜ディモーティカ / レベーティカ / ライカの枠を越えて、いかにもグリークトラッドと呼びたくなる歌のあり方を聞かせます。ピアノ、ガットギター、ブズーキ、チェロ、クラリネットといったオーソドックスなアコースティック・アンサンブルに囲まれ、透明さを感じさせながらも、ギリシャらしい哀愁味がそこかしこに聞こえる歌い口です。なるほど、ダラーラス好みな歌い手でしょうか。主な作詞&作曲家、バックを固めるミュージシャン達も全員中年以上のヴェテランばかり。歌声は瑞々しく、しかも、その指向性はシブイところを突いてくれます。ギリシャ歌謡ファンにとっては、アレッティ嬢、マリア・アナマテルーに続く、嬉しい若手の登場じゃないでしょうか?

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