MM誌2012年8月号『輸入盤紹介』コーナーで、深沢美樹さんが紹介された20世紀初頭のペルー都市音楽ヴィンテージ録音復刻アルバムが、ついに入荷しました!100年前に初めてペルー音楽の録音をしたエドゥアルド・マンテスとセサル・アウグスト・マンリーケの歴史的なムシカ・クリオージャのデュオ録音集です。バルス、マリネーラ、ヤラビ-、トンデーロ、トリステ、ポルカなど、お馴染みのペルーのスタイルを二人の歌とギターだけで聞かせてくれるのですが、すでにこの時点でペルー歌謡音楽としてのスタイルが完成(特にリズム面)されているのがはっきりと分かります。深沢さんも書かれていますが、20年代にフェリペ・ピングロ・アルバらが出て来てバルスを中心としたスタイルを確立していく、その前段階のペルー都市音楽がはっきりと記録されています。加えて、このデュオ・ヴォーカルの瑞々しいポピュラー音楽ぶりはどうでしょう。キューバの世紀の変わり目の吟遊詩人達~トローバ歌謡に共通する旧植民地ならではの、リラックスした格調というものが感じられます。加えて、ピエサ・イミタティーバ、ピエサ・デスクリプティーバという、漫談調の語り芸も収録~その辺、やっぱりキューバのトローバにそっくりですね。スペイン旧植民地歌謡音楽の源基、とも呼べそうなその感覚~あるいは、初期ヴォーカル・タンゴやプエルトリコのセイスなんかも連想せます。88ページにも及ぶスペイン語ブックレットには、ライナーの他、録音資料、珍しい写真も満載!ラテン・アメリカ音楽ファンは必携でしょうね。オススメします。