笹久保伸ギターソロ作品
秩父でのアート活動の中から生まれた『Hyper Chichibism』思想による即興演奏アルバム
●2004年~2007年の3年間のペルー滞在中に、アンデスの農村で音楽を採集調査しながら演奏活動をおこない、ペルーで13枚のCDをリリース。帰国後もアンデス音楽と現代音楽を往き来しながら、11枚のアルバムを製作するなど、精力的に活動を続けて来た笹久保 伸。近年は、2008年から始めた『秩父前衛派』での活動として、アルバム製作やコンサートはもちろん、映画や写真、美術、文筆、演劇までを守備範囲とした多角的なアート運動を展開しています。
●本作は、彼の通算25枚目となるアルバム。ギターソロによる即興アルバムだが、「この即興演奏は秩父前衛派の思想”Hyper Chichibism”に基づいている」という。さらに、「それは地域、郷土、生活、文化、歴史、自然、人間、環境などの地域的要素を第一フィールドとして捉え、それらを超越した第二フィールドで表現するという秩父前衛派の芸術思想」であり、「アンデス~秩父での笹久保伸の活動は一貫して、伝統を学びアヴァンギャルドでありながら根源へ行けるか、という挑戦でもある」という。
●その即興演奏は、その言葉通り、前衛的でありながらもどこか親しみや懐かしさを感じさせてくれます。
●また、録音、サウンド処理による音のクオリティーもよく、笹久保のギター演奏の特徴でもある、一音一音の粒建ちの良さ、ギター全体から発せられる音のインパクトも、ストレートに感じることが出来きます。
●なお、笹久保は、秩父前衛派の活動の一環として製作した映画『PYRAMID-破壊の記憶の走馬灯』が、“山形国際ドキュメンタリー映画祭2015”の日本プログラムで公式上映されたのに引き続き、国内最大規模の映画祭の一つ“2016年イメージフォーラム・フェスティバル”にてノミネートされ、東京、京都、福岡、名古屋、横浜でも上映が決定しています。
●さらに、“瀬戸内国際芸術祭2016”に公式招聘され関連作品を展示、今後その場でのパフォーマンスも予定されています。
●5月4日には、“ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン音楽祭2016”への出演も決定。『音楽の冒険~藤倉大が考える La Nature』と題された作曲家の藤倉大プロデュースの企画への出演で、坂本龍一、デヴィッド・シルヴィアン、武満徹、大友良英、藤倉大、笹久保伸の音楽作品が演奏される公演です。
曲目表:
1. ground zero 653 (グラウンドゼロ 653)
2. the tunnel 653 to the blue sky(653トンネルは青い空へ向かって)
3. crushed stone plant 1(石灰砕石工場1)
4. spell of though 653(653思想による呪文)
5. wing of the wolf(狼の翼)
6. o boivent les loups(狼の泉)
7. crushed stone plant 2(石灰砕石工場2)
8. snow of nude limestone (裸になった石灰石の雪)
メンバー:
笹久保伸:ギター