>こちらで紹介されていたCDですね(無断リンク陳謝&感謝)!
1 Rainbow
2 Real World
3 放輕鬆 feat. EMMA
4 巫女
5 旅行
6 大雨
7 風與花
8 Abby
9 Mailman
10 Stars feat. ?te壞特
11 基隆
12 那卡西
で、以下、例によって、当方 NHK AM ラジオ小コーナーで、本CDから2曲紹介させてもらった際の台本元原稿となります(ありあわせにて、すみません!)。
「台湾から登場したネオ・ソウルの注目アーティスト」
いわゆるネオ・ソウルというのは、1970年代に流行した米国のソウル・ミュージックを土台に、ジャズやファンク、ヒップホップやハウスなどなど、様々な音楽の要素を自由にミックスしたソウル・ミュージック、のことなんでしょうね。その意味では、米国のソウルが世界中で親しまれて来た経緯を考えれば、今や、国籍や歌う言葉も問わない音楽としてネオ・ソウルはあるのかも知れません。
ま、ジャンル名にこだわるわけではないのですが、この台湾のレイチンの音楽も、ソウル・ミュージックの感覚をベースに、自由な音楽性の自作曲を聞かせてくれて、台湾音楽シーンの新たな才能として、現地でも注目されているそうです。
レイチンは台湾のタイペイで1992年に生まれた30歳、これまで、数多くのバンドでドラマーとして活躍、2018年には自身のバンドを結成し、2019年には来日公演もありました。
2020年には自己名義のシングル曲を発表、そして、2021年にこのデビュー・アルバムを発表しています。
今日はそのデビュー・アルバムからの2曲を、お聞きいただきましょう。
それでは、1曲目、曲名は「ファン チン ソン」
愛している。
気楽に行こう、気楽に、気楽に、
ルールなんてないよ、
つまらない言い訳はしないで、
リラックスして、恋をして、
気楽に行こう、
ぼくは、それがどんなものであっても、自分の人生が大好きさ、
〜と、そんな意味のことを歌っていました。
ゆったりとした曲に、ちょっとラップっぽい感じで、英語と中国語で歌われた曲でした。
途中、女性歌手と交互に歌いながら、まさに「ファン チン ソン」〜リラックスして、という曲名通りの歌声と、ミディアムスローなビートでゆったりしたサウンドを聞かせてくれましたね。
それでは、もう一曲、レイチン、「リアルワールド」です。
流れるようなストリングスとディスコっぽいビート、女性コーラスの入り方などに、なるほど北米の70年代ソウルを感じさせてくれるようなミディアム・アップの曲でした。
とは言え、レイチン自ら叩くドラムの絶妙なリズム感や、音数少なく太くウネるベースラインなど、70年代北米ディスコのそれとは随分と異なるニュアンスを感じさせるもの確かです。そんな生演奏志向が、台湾のネオ・ソウルの特徴かも知れません。
ところで、この曲を聴いて、台湾っぽいところを探すとしたら、冒頭、イントロのストリングスのメロディーぐらいかなと思うんですが、台湾っぽいかどうかは置いておくとしても、不思議と全体としてアジアっぽさを感じてしまうのは、なぜなのか?自分にもよくわかりません。
このリアルな世界に生きてきた。
息をして、命を感じたい。
田んぼに映る霧のような雲、
ただ歩く、散歩してる、
山に登り、海に降りていって、
左に曲がり、右に曲がる、
迷子になることを恐れないで、
自然な世界のリズムに耳を傾ける、
散歩しよう、もっと、歩いて行こう、
と、そんな意味のことを歌っていると知って、うんうん、アジアっぽい、そして中国文化圏っぽいな、と、改めて感じます。あるいは、昔の中国の、古い漢詩のような内容かも知れません…(ま、若干コジツケっぽのいのですが)。