自ら “サウン・ザウ・ウィン・マウン” と名乗る現役サウンの名手、1959年にマンダレーにて、音楽家の両親のもと、生まれたそうです。幼い頃からパッワイン(環状旋律大鼓)を習っていたそうですが、14歳の頃から歴代の名人、故インレー・ミント・マウンらにサウンを教えられ、パッワインとサウンの腕を磨いて来たそうです(現在は双方の教師、演奏家として活躍)。といわけで、本作、多重録音ではありませんが、パッワインとサウンのデュオ+パルウェー(竹笛)による淡々としたインスト・アルバム。ずっと同じ感じで、ずっと同じ調子で奏でられるサウンと太鼓と笛のインタープレイが心地良いことこの上なし! のアルバムとなっています。
ヒーリング、とは言いたくないのですが、アジアでも最も繊細な伝統音楽のあり様の一つであり、聞き方によっては、この世で最も淡麗かつ温もりのある環境音楽の一つである、と言ってもいいかも知れません。ミャンマー音楽の最もナイーヴな部分を柔らかに伝えてくれる素晴らしいアルバムです。