“中央アジアのマドンナ” と呼ばれた女性歌手がトルコで残した2015年作!
〈中央アジアのマドンナ〉との異名を持つウズベキスタン出身の女性歌手ユルドゥス・ウズマノヴァ(1963- )。政治的な理由で2008年よりトルコに移り住み音楽活動を行なっていた彼女は、その地でトルコ・マーケット向けのアルバムを制作し話題となった。そんな彼女がトルコで制作した現時点でのラスト・アルバムが、2015年作の本作だ。作曲は全てユルドゥス本人が担当し、全篇トルコ語の歌詞の一部も彼女が作詞するなど、その堪能な語学力を遺憾なく発揮。エレクトロニクスを取り込んだポップで現代的なアレンジだが、その旋律からはロシア〜中央アジア〜アナトリアまで通じるオリエンタルな雰囲気が濃厚に感じ取れる。さらに男臭いルックスと抑揚を効かした歌声が特徴のトルコ人男性歌手ヤシャールが1曲で参加し、ユルドゥスとの見事なデュエットを楽しませる。 (メーカーインフォより)●日本語による説明をつけた帯を商品に添付しての商品です。日本語解説は付きません。
当時、大統領をつとめていたイスラム・カリモフ独裁に抗議、08年頃、母国ウズベキスタンからトルコへ移住した元女性代議士ウズベクの歌姫、ユルドゥス・ウズマノヴァの、トルコ移住後通算4作目のオリジナル・アルバムとなった作ですね。ウズベク語もテュルク諸語だそうですから(突厥由来)、歌う言葉の壁はそう高くないでしょうね。
すっかりトルコに腰を落ちつけていた頃の本作、その前の2012年作に幾つか並んでいたウズベク〜マコーム色濃い曲想はすっかりなくなってしまいましたが、かと言ってトルコPOP一般という感じでもなく(トルコ中堅男性、ヤシャル参加1曲は古いアラベスクっぽいし、エレキ・サズが聞こえるアンカラル調もありますが)、何と呼ぶべきでしょうね…、汎シルクロード歌謡とでも言うべきでしょうか?
にしても、今聴いても、ナント見事な “歌謡曲” ぶりでしょうね。その “情歌 or 演歌”ぶりに、理由もなく目頭が熱くなってしまいますよ。アムル・ディアブ調打ち込みナンバーから、流麗なオーケストラが奏でるロマンティックなバラードまで、歌の力に持って行かれる40分(曲ごとの短さもまた良し)!
〜で、その後、 2016年のイスラム・カリモフ首相没後、数年を経てウズベキスタンに帰還したユルドゥスだったかと思います。ま、だんだんデヴィ夫人みたいになって来ましたけど、今はスッカリ元気そーです( youtube で観ているだけですが)。新曲もガンガン出してますよ(配信ばっかりですが)、まだまだキッチリ歌ってくれています。>★
トルコ時代には、アラブ世界でも受け入れられたというユルドゥス姉さん、西アジアから中央アジアにかけて、というより、ユーラシアをまたにかけ、もっともっと活躍して欲しいものです。
1. Tek Seni Sevdim
2. Vur Vur
3. Sen Gel
4. Seni Söylerim
5. Of Of Of
6. Aşıklar
7. Bitti Herşey
8. Hayat Bana Aşk Borcun Var
9. Yalancı Geceler
10. Haydi Sor
YILDIZ USMANOVA