アフロ・ブラジル音楽の聖地バイーア出身のアフリカ系ブラジル人女性シンガー、ヴィルジニア・ホドリゲス、前作から7年を経て発表された5枚目のアルバム。母性的な包容力と凛と張った祈りにも似た唄声でブラジルのみならず、国外でも高い評価を得てきたシンガーでもあります。今作では5弦ギターと唄の研ぎすまされた表現で人気のチガナ・サンタナが楽曲提供/ギター、唄で参加/プロデュースで全面的にバックアップ、本盤でアタバキやアゴゴをプレイする打楽器奏者のセバスチャン・ノチーニも共同プロデューサーとして名を連ねます。サウンドの方はヴィルジニアの印象深い唄声を芯に据え、チガナらのギターに織り成すパーカッションのアンサンブル、時にチェロのチェンバーな響きがアクセントを与えるという至ってシンプルな構成。チガナ・サンタナ作のタイトル曲”Mama Kalunga” に”Monami”、”Dembwa”の叙情風景、そしてサンビスタ、パウリーニョ・ダ・ヴィオラの”Nos Horizontes do Mundo” やモアシール・サントス=ネイ・ロペス作”Sou Eu”をチガナとヴィルジニアでデュエットしたもの、これらはゆったりと大きなスケールを持った解釈で好演。合間にスザナ・バカによって採譜されたカンドンブレのエンボラーダを挟んだり、コンゴのことばで歌う楽曲もあり、本作のコンセプトでもあるアフロ・ブラジル文化への大きな愛を表していますが、原理的な趣向のみに陥ることなく、かつてイタマール・アスンサォンによってカヴァーされたジェラルド・フィルミ曲”Va Cuidar de Sua Vida” をサンバ・ヂ・ホーダのスタイルで収録したりと、全編を通じてリアル・アコースティックな統一感のある作品となっています。(サプライヤーインフォより)