こちら、惜しまれつつ廃盤になってしまった若手作曲家 / SSWのヴァシリス・フローロスの>デビュー作から4年ぶりにリリースされた、2015年年末のセカンド・アルバム、再入荷です。港町テサロニキ録音ということで、ジャケの写真は古都テサロニキの中心近く、カパニ市場のアーケードでしょう…、人で賑わう時間帯でなく、誰もいなくなった深夜?の光景をジャケにするところ、この人らしいのかも…。
G.ダラーラス参加の前作も相当にシブイ出来でしたが今作もまた輪をかけてシブイ曲が並んでいて、最初と最後にイブシ銀のインストが置かれたほかは前作同様、これまた通好みの歌い手が無名有名を問わず参加しています。〜3枚のアルバムをリリースしているレベーティカ男声、ディミトリス・ミスタキディスが3曲、ダラーラスのレコーディングやツアーの常連で、>こちらのソロデビュー作が当店でも評判だったアスパシア・ストラティグゥが1曲、そして初めてその名を聞く女声ふたり、カテリーナ・アナグノストゥ(なかなかブッキラボーでさりげないイイ歌い口)&マリナ・ダカナリ(ソクラテス・マラマスの諸作に参加していたみたいですが、ちょっと涼やかでキュート)が1曲づつ、そしてヴァシリス・フローロス自身が6曲を歌っています(加えて、コスモロジー学者のヨルゴス・グランマティカキスが2曲で朗読)。
ま、何にしろ、古風でトラッド、かつ少しばかりアーティスティックなレベーティカ、ライカ、ディモーティカや、それらの混淆とも聞こえるシブイ曲の並びに、ギリシャならではのうるおいが淡々と、愛想なく通底音のように聞こえて来る、地味ながら凝った趣向のアルバム、ですな…。というわけで、前作も相当地味でしたが、もっと地味!?