V.A. / THE THAI BEATLES

男はだまって、タイ・ビートルズですよ!って、相変わらず意味不明ですが(ちなみに、女もだまってタイ・ビートルズですね、と、そっと耳打ちしましょー)って、それは、ビートルズだって聞くけど、演歌の花道だって見るんですよー、ってことなんですねえ、って、意味不明は深まるばかりですが…、それはさておき、前代未聞、未だかつて、こんなビートルズ・カヴァー、聴いたことないのは確かですよ!個々には今のところよくわかりませんが(ミス “イサーン・ソウル” ラスミー嬢と、往年の人気グループ、インポッシブルのメンバー、ウィナイ・パンラックぐらいしか知りません)、バックも含め、タイのイサーンとかルークトゥンあたりの関係者を中心にフィーチュアーしたメンツだってことは、音を聴けば、なんとなくよわかるんですが、なんというか、遠慮なしに、ビートルズはこんな風にも歌えるものである、というタイ音楽的世界観に裏打ちされた本格派タイPOPマナー!聴けば聴くほど、その節まわし、その音響が、ビートルズの聞き慣れたメロディーとリズムを解きほぐし〜再構築して行くわけですね!で、結果、ハッピーな気持ちになりますよ、ハイ。そーいえば、その昔、イエローサブマリン音頭なんて、ありましたよね、あーした音楽観をもっと追求したら、面白い世界が広がったのかも知れませんよね。

それにしても、冒頭からインパクトあります。カム・トゥゲザーを歌っているケン・タチャヤー(Keng Tachaya〜89年生まれ)という若手男性?やっぱり聞き物ですね!タイ南部のソンクラー県出身にて、当地の伝統音楽のコンテストで優勝経験もあるということで、南部の若手パイオニアだそうですが、ケーンの聞こえるバックはモーラム調、でも、ここで聞かせる歌い口、ちょっと現行通常のモーラムのソレとは違うような気もします。このタチャヤー、ソンクラー県の中心地、ハジャイの生まれだそうなので、マレイシアに近い場所の出身です。でも、その喉に力を加えて、口の中でクグもるような節まわしは、もしかして 、カンボジアのコン・ナイ師匠あたりにも近いような気がして(とはいえ、このタチャヤー、ネット上のほかの場所ではフツーにモーラムっぽい歌唱やルークトゥン調、あるいは、ラップやPOPも、いろいろ披露しているので、ハッキリしたことはわかりませんが)、そのクメールっぽい節まわし、実に得難く感じます(元来、モーラムの故郷、タイ東北部イサーンの人々はクメール系なんですが…より、クメールっぽさを強調するための歌い口なのか?)。…他の曲の並びにしても、多かれ少なかれPOPでもトラッドでも、一筋縄ではなく、様々なタイ音楽の要素が編み込まれているような気がして、聴き応えがありますね。

〜とかなんとか、いつものよーに、あやふやなこと書いてしまいましたが、ともあれ本作、バイチャソングのメイン・プロデューサーであるバン・スワンノーチン(Bun Suwannochin)が、彼自身、今もって最も好きなバンドであるビートルズの音楽を、タイから再発信しようと、およそ10年も前から録音制作を試みて来たという労作だそうで、なるほど、聴くほどに練られたプロダクションであることは確かです、心して楽しみましょう!

1. Welcome To The Thai Bealtes / Sweetnuj 0:32
2. Come Together / Keng Tachaya 4:17
3. Day Tripper / Bird Thamarat 03:58
4. Across The Universe / Natt Buntita 4:57
5. I Feel Fine / Rasmee 4:28
6. Girl / Vinai Phanturak 4:14
7. When I’m Sixty-Four / Soontaree Vechanont 4:26
8. Lucy In The Sky With Diamonds / Ow Chutima 4:06
9. Oh! Darling / Kook Onsurang 4:03
10. Norwegian Wood (This bird has flown) / Anin Suwannachot 4:14
11. Help! / Thai Folk Chorale 4:10

 

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