V.A. / LES BELGICAINS, Na Tango Ya Covadia 1964-1970

1960年、ベルギーからコンゴが独立を達成した際、ブリュッセルで催された独立承認の円卓会議後のパーティーにおいて、グラン・カレが「アンデパンダンス・チャチャ」を演奏したことは有名ですが、その独立後、コンゴからベルギーへ留学した学生たち、もしくは元学生たちがベルギーに留まり、グラン・カレのチャチャチャから、もう一歩進んだ、前傾タイトなコンゴレーズ・ダンス音楽をブリュッセルで演じていたということは、寡聞にして、知りませんでした。
正直なところ、アフロ・ネグロとニッケロスぐらいは聴き知っていましたが、本盤に並ぶほかのグループは初耳、しかも彼らが元留学生によるバンドだったということも知りませんでした。で、そんなベルギーに活動の場を求めた留学生音楽家達のことを、コンゴの人々は “レ・ベルジキャン=ベルギー人” と呼んだそうで、それは、すなわち本盤のタイトルですが、何とはなし、憧れと蔑みが入り混じったような?ちょっとアンビヴァレントな呼び名だったかも知れません。
しかも、そうした元留学生バンドをプロデュースしたのは、当時のレオポルドヴィル(現キンシャサ)のンゴマ・レーベルの2代目社長であり、競合他社相次ぐ地元コンゴでの商売を60年代半ばには見切り、社長、ニキフォロス・カヴァディアス(ギリシャ人)は、ブリュッセル拠点の “コヴァディア・レーベル” を1965年に立ち上げ、そして、本盤収録音源はじめ、ベルジキャンによる録音の数々を制作したということです。
そうと知ってみれば、その曲の並びに、グラン・カレとも、あるいはOKジャズとも一味違うルンバ・コンゴレーズの姿、キューバン系ラテン音楽の影響から、もう一歩踏み出し、60年代後半、北米ラテン・シーンが生み出していたブーガルーあたりに近い感覚を聴いて取ることも可能かも知れません。もちろん、芳醇な味わいのルンバも並びますが、少なくとも、欧州にあって地の利を活かし、いかにも60年代半ばから70年代初頭にかけての、ルンバ・コンゴレーズの新たなスタイルを生み出していたことは、感じられます。
あるいは、本盤に収録されたベルジキャン達の演奏に(ブラザヴィルとキンシャサの違いはあっても)、後年の “ルンバ・ロック” へと繋がっていく感覚、その萌芽を聞き取ることもできるんじゃないか、とも?そして、加えて、何しろ音質がイイ!その辺も当時として、欧州録音の地の利だったと言えそうです(今回の復刻元の努力の成果、かも知れませんが…)。

1. Orchestre Ebuka Ebuka – Mwana Nsana 03:37
2. Orchestre Afro Negro – Palado Palado 02:54
3. Carlos Lembe – Gozalo Mulata 02:49
4. Orchestre Ye Ye National – Mathinda 03:33
5. Orchestre Ba Bolingo – Flamenco Para Ti 03:16
6. Orchestre Afro Negro – A La Mode 03:51
7. Los Nickelos – Gancia 03:04
8. Orchestre Ebuka Ebuka – Ngaï Dhesolé 03:35
9. Los Nickelos – Kinsuena 03:34
10. Orchestre Ekebo – Bina Pachanga 03:42
11. Los Nickelos – Echantillon Salukani 03:38
12. Orchestre Afro Negro – Suena Suena 03:18

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