当店的には、現代中国のブロッサム・ディアリー!と呼んでいます(聞き流してください)。たぶん、もう50〜60枚はとおに超えてアルバムをリリースしているんじゃないかと思われる民歌系シンガー、童麗(トン・リー)の2020年作です。
安徽省馬鞍山市生まれで生年不明、中国では、伝統歌謡面におけるテレサ・テンのフォロワーと目されているようですが(囁くように口のそばで歌うところはテレサと異なります)、05年のデビュー以来、あまりにも作品が多いので(需要があるということでしょうが)、何を売っていいやら、何を買っていいやら、見当がつかない状態だった、という感じでしょうか?ただし、民歌民謡系の作品が多いので、みんな同じじゃないか、というキライもなくはなく、全部及第点だけれど突出したところが見えにくい歌い手と認識して来ました。これまで、当店でも何枚か、仕入れてはいるものの、DSD-CD にてお値段が張るということもあり、熱心に仕入れる気にはならなかったのですが(先の入荷もごく少量)、でも、コレはイイですね、悪くない。
古箏の名手、段銀瑩を招いた伝統派中国歌謡アルバム、あたりさわりのない民謡調POPアルバムというのではなく、そのウィスパーな歌声を持ってして、一歩踏み込んで、伝統歌謡に相対したアルバムと聞こえます(もちろん、その歌声じたい現代的な発声であることにおいて純民謡ということではなく、現代的解釈を通過した伝統に材を取りながらもポップな歌謡アルバムであることはいわずもがな)。
01. 望月
02. 高天上流雲
03. 美人吟
04. 梅花淚
05. 煙花三月﹙2017新版﹚
06. 思美人
07. 紅豆紅
08. 愛在深秋
09. 我在春天等你
10. 紅顏舊
11. 烏蘇里船歌
12. 人面桃花