SUZAN KARDES / BEKRIYA 6 BEKRI

“BEKRIYA 3” に続く新作が、なぜ “BEKRIYA 6 BEKRI ” なのか全然不明ですが、コソボ生まれのマルチタレント / メークアップ・アーティスト、熟女歌手にしてクラブオーナー=スーザン・カルデシの新作(たぶん6作目)です。で、こちらは前作の南バルカン変拍子路線とは打って変わって、前世紀初めのSP世界で展開されたズミルナ派レべーティカによく似ている?というか、ルメリヤ語(在バルカンのトルコ系住民の言葉)によるレべーティカというか、アナトリヤ民謡というか、全然錯綜していてよくわかりませんが、オスマン・トルコの香り高い、19世紀的東地中海歌謡としての格調を感じさせる素晴らしい作となっていると思います。19世紀前半のギリシャ独立後、トルコとの間で交わされた住民交換の結果~トルコからの帰還者が歌ったズミルナ派レべーティカが、南バルカンに残ったトルコ系住民のルメリヤ語歌謡と類似しているのは当然という気もしますが、それを現代トルコの伝統音楽的手法で再現したのがこの作品~と言えるんでしょうか?よくわからないながらも、なんだか新しい過去の歌謡世界が目の前に開けたような気にさせてくれる意欲作!であることは確かでしょう。ウード&クラリネットを中心としたアンサンブルの中、ちょっと掠れて味わい深い、淡々としたスーザン・カルデシの歌が、東地中海へのノスタルジーをかき立てます….。

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