キクチ夫君プノンペン買い付けCD(感謝!)〜本邦初入荷のトラッド歌謡を歌う人気女性歌手、ソン・スレイピッチによる珍しくも(オムニバスではなく)完全ソロ・アルバム2014年作です!ソン・スレイピッチは、1986年バッタンバン生まれ、家族とともにプノンペンへ移動、その父はカンボジアで有名なコメディアンであり歌い手でもある Neay Song Sis (ネイ・ソン・シス〜女装時の通り名?は Mari Sun)であり、17歳ぐらいの頃から姉、兄とともに父の興した一座で婚礼音楽(プレーン・カー)を歌い始めたとのこと(この時期、実はお顔がよく似ている父から伝統歌謡をキチンと学んだそう)。その後、カンボジア観光省のイメージ・ソング歌手に抜擢され広く知られるようになり独立、ソロ歌手として活動開始。ラズメイ・ハング・メアスへのレコーディングは、おそらく09年頃からで、今作が初のフル・アルバムじゃないかと(と、思ったら、ラズメイに吹き込み出す以前にも ”りんご追分”カヴァー曲収録のフル・アルバムがあること判明 by キクチく〜ん、どーしてソレを買って来ない!?)。
それで、その歌い口、やっぱり、先輩のハム・スィーウォンあたりにも似た(というか流れを汲んだ)“まったく力まない都はるみ風情” とでもいいますか(自分でさえ、何言ってるかよくわかんない喩え、ですが)、その、いかにもクメール伝統歌謡の中から生まれて来た歌い手という感じが、おそらく今やもう貴重という気がしますが、どうでしょう…。このソン・スレイピッチ、ソークン・ニサやカナ嬢あたりとは、そのコブシ使いの濃淡において、やっぱり隔たりがあるように感じてしまいます(年齢としてはスレイピッチの方がニサより3つ年下ですが、やはり芸能一家に生まれたことに由来するでしょうか?)。ニサ&カナ嬢には隣国タイのルークトゥンの影響を少々感じてしまうのですが(ま、現状においては、それもまたOK!)、このスレイピッチ嬢、ひたすら純にクメール歌謡の歌い口に徹していると感じます。だからこそのそのどこか鄙びた熱帯アジア風情が何とも懐かしいような田園歌謡調アルバムとなっている本作、いや〜なかなか貴重ですよ(キクチ君でかした!)。*なお、こちら簡易ケース入りペラ紙ジャケ状態でお売りしています。あらかじめご了承下さい。
*以下、このアルバムを仕入れてくれたキクチ君(君づけで呼ぶのは、昔の職場の後輩だからです。他意ナシ)の facebook から無断転載〜
「ジャケットだとOLみたいな雰囲気ですこし解りづらいけれど、クメール女性の典型顔と思っている歌の上手いひとだ。同世代の歌手がどんどんハーフ系のルックスをしていく中、正直見劣りする。しかし、メガヒットした511番の次に老舗大手レーベルのRASMEY HANG MEAが世に出したアルバム(ま、通し番号の関係でとくに意味は無さそうですが、、、)ということもあって気になって聴いてみた。出だしからスローテンポのラブソングで、ベタなサックスがなんだか安っぽい、、、話がそれますが、そもそもカンボジア歌謡界の中でも売れっ子の歌手は、ソロアルバムを出すには出しているんです。但し、たいていは西洋風のバラード調か、打ち込みされたリズムを強調したダンサブルなアルバムばかりなんです。エル・スールで一番の注目をされるソクン・ニサさんのソロアルバムも2枚聴きましたが、2度と聴くもんかと思ったくらいです(笑)。
なのでこのアルバムも同じものかとしばらくは聴かずじまいでいました。ところが7月にプノンペンに再び行くとお店で優雅なトローチェやクロイの音色に、たおやかな女性の唄声が響いているじゃあないですか!この曲は誰の歌ですか?と店員に聴くと、ニヤニヤと笑って教えてくれません。お前まだ声を聞いてわかんないのと笑われているようで、誰だっけと考えたんですがかえって焦ってしまい思い出せそうにないので教えてもらったんですけど、それがこのアルバムの9曲目なんです。
実はこのアルバムは、全編ゆっくりとしたテンポの曲なんですが、中盤から歌い方がクメール歌謡の伝統的な方にシフトしていくアルバムだったんです。
かつてのヒム・シーヴォンさんのような伝統路線一筋のアルバムは現在では需要がないのか見当たらなくなりましたが、クメール歌謡の伝統的な世界はこうした形で継承されているようですね。」
*なお、こちら簡易ケース入りペラ紙ジャケ状態でお売りしています。
申し訳ないのですが、よろしく、どうぞ。