イタリア半島の付け根部分にあたる北西部に位置し、同国でも有数の大都市であるジェノヴァ。地中海に面しているだけあって紀元前より人類が居住していたといわれる歴史ある土地です。そんなジェノヴァで伝統的に歌われてきたのが、トラッラレロという合唱音楽です。その舌を噛みそうなジャンル名ですが、この音楽をオノマトペ(擬声語)的表現したものだとか。このラ・スクアドラ(伊語で「チーム」の意)は総勢9名のグループで全員男性。しかしコルシカのそれとは違い、さすが歌の国イタリアといったような陽気なほがらかさを感じさせる旋律です。裏声のハイ・トーンからバリトン・ヴォイスまでの広い音域で複雑な絡みのハーモニーを聴かせます。世界中の貴重な民俗音楽を録音したアラン・ロマックスがはじめて聴いた時にぶっとんだのも納得です。