★スアド・マシ『セクアナ』
カビールの人気SSWスアド・マシの新作が登場!
2000年代初頭よりシーンに登場したアルジェリア出身のカビール系女性SSWスアド・マシが、2019年の“Oumniya”以来となる新作を発表してくれました。1972年にアルジェリアの首都アルジェ近郊に生まれた彼女は、家族全員音楽家という恵まれた環境で育ち、いつしか自らも音楽家を目指すように。アラブや西洋の古典音楽やフラメンコなどにも興味を持つ一方で、成長するとロックやフォーク、シャアビなどをブレンドした音楽性を持つバンドを結成します。紆余曲折の後2001年にアルバム『語り部』(WRR-318)でソロ・デビューを果たしました。
そしてトータル10作目となった本作でプロデュースを務めるのは、ティナリウェンやラシッド・タハを手掛けたほか、ロバート・プラントのバンド“センセーショナル・スペース・シフターズ”での活動などで知られる英人音楽家ジャスティン・アダムズ。彼のアイディアで、フォーク/カントリー/ロック/カリプソ/ボサ・ノーヴァ/アラブ音楽/砂漠のブルースなど、様々なスタイルを取り入れたサウンドをここで披露しています。
ほぼ全曲がスアドの作詞作曲で、フランス語もしくはアラビア語の歌詞で歌われています。またタイトル曲では、セーヌ川の清き流れを見守り、ガロ=ローマ時代には癒しと治癒の力を持つと考えられていた女神セクアナ(Sequana)の古代神話を用い、アラビア語の詩で思春期の難しさを表現しているとのこと。(サプライヤーインフォより)
RICE 国内配給CD¥3520 再入荷待ち
1. Dessine Moi Un Pays
2. Une Seule Étoile
3. Mirage (ft Piers Faccini)
4. Dib El Raba
5. Ciao Bello
6. Sequana
7. Twam
8. Ch’ta
9. L’Espoir
10. Victor (Le Son de la Main)
* MM 誌 2022年ワールド・ミュージック年間 BEST10で6位 !!
曰く「一番好きだった彼女のデビュー盤に近い感じなんだよね!」by 松山晋也さん〜仰せの通り!当方も同感です。カビール女声らしいというか、この人らしいというか、ちょっと透き通ったような歌、得難いですヨネ!
現アルジェリアのカビール人(アカデミックにはルーツは謎ですが、もともとはケルト人と同根なんじゃないか?なんて述べる学者さんもいるようです…)、その、いかにもカビールらしいシャアビ&そして、いかにもカビールらしいフォーキーな曲の並びが、嬉しい一枚です。
多くはアラビア語、そしてカビール語&フランス語も交えながら、多くは生ギター弾き語りを前面に、淡々と歌い綴るカビール歌謡原点回帰を志向するスアド・マッシの新作〜いかにもプロデューサーのジャスティン・アダムスっぽいカビールROCKっぽい曲も収録されていますが…(でも曲の並びの流れにちゃんと沿ってますよね)。それにしても、スアド・マッシ(もしくはマシ)、齢を重ね、深みも増して、余裕さえ聞こえる新作…、憂いなき哀愁歌謡とでも云いますか?最高傑作であることは確か(齢は目まわりに出ますから、お花で隠してるジャケもなかなか、ケナゲな工夫もされてます?失礼。ま、そーゆーことはともかく、)実に、イイ、歳の取り方をしたものです。