既に廃盤ですが、久々再入荷!
ベルギーはブリュッセルに生まれ、家族とともにギリシャはテサロニキへ移住、その後6歳の時から歌いはじめたというソフィア・パパゾグルー、1996年にCDデビュー、本作で7作目のアルバムとなります。ダラーラス / グリケリア / エレフセリアといった歌手に信頼され、そのライヴにバック・ヴォーカルとして参加して来たというこのソフィア嬢、なるほどいつものこと、なかなか玄人好みのシブイCDを作ってくれるのですが、この作は格別です。タイトルは『子供のように』とでも訳せるでしょうか…。
ソフィアと連名のフリスト・ツィアモリスは1961年生まれのヴェテラン作曲家、歌手にしてギター&ウード奏者(〜このアルバムではウードを弾きコーラスをつけ、アレンジ&作曲を)。もともと名門トラッド・グループ Dynameis tou Aigaiouのメンバーにして1985年にデビュー、92年よりソロ活動も展開しています。各地の民謡やビザンティン音楽にも造詣が深く、アテネ大学で教鞭も取る音楽家。ということで、この作、実にトラッドな雰囲気に染め上げているのはこの人の仕事。
で、1曲だけ(リミックス)打ち込み使用の曲はありますが、ほか、ウード、ギター、ブズーキ、リラ、ヴァイオリン、アコーディオン、バグラマー、そしてパーカッション、ベースという編成の、ギリシャならではのオリエント風味に満ちたストリングス・アンサンブルの中、少し掠れて哀愁のこもったギリシャならではの哀感のこもった女声、ソフィア・パパゾグルーの歌が響きます。地味ですが、久々のギリシャ中堅女性による(ビザンティン風味もある)佳作というべきでしょう。