こちらもまた、1992年のスミルナの大火 (Wiki>★)から100年を記念して制作されたアルバムとのことです。80年代末から音楽教師であり、現在もアテネの市立音楽院で常任のピアノ教授を務めている女流作曲家でありピアニスト、ピギ・リコゥディの作品となります(自己名義のアルバムとしては、07年以来、こちらが5作目だそう)。
作詞は、ヤニス・P・イオニディス〜現スタンフォード大学医学部教授でありながら、比較文学科ではギリシャ文学について教える詩人だそう。つまり、スミルナの悲劇に材を取ったイオニディスの書き下ろし詩を、ピギ・リコゥディが作曲編曲した10曲が収められた、ということでしょう(その名、イオニディスから想像できるように、たぶん帰還移民の家系の人、なんでしょうね)。
参加歌手に関しては、先にリリースされていたアンドレアス・カツィヤニスの “スミルナの悲劇100年” 盤でも歌っていた、70年代初めから活躍するヴェテラン男性歌手のマノリス・ミツィアス(アルバム多数〜そういえば、まだこの人、当店未紹介でした…反省)や、自らのアルバムを3作リリースしている00年初めデビューのマリア・スルタトゥほかは、ミュージシャン達も含めて、なかなかシブイ若手や中堅達が集ったアルバムであること、お聴きいただいての通りかと思います。
もちろん、内容はギリシャ系東方歌謡〜古きスミルネイカ・ソングの再現、というか、ピギ・リコゥディのスミルネイカ解釈が軸となった歌と演奏が繰り広げられていて、チェロとウードと、ブズーキの元になったとされるロングネックのリュート、ジュラ、そしてカヌーンやバグラマといった、浮遊感たっぷりの弦楽器アンサンブル、そんな浮遊感に余韻を添えるような、リコウディのサスティンペダル多用のピアノが隠し味?そこに、男女歌手達が寂寥感漂う節まわしで、哀感メロディーを辿って行くさま、一曲一曲丹精込めた演奏とアレンジで聞かせてくれるわけですね。なかなかのものです。
このピギ・リコウディも当店初紹介となりますが、他の作も聴いてみたくなりましたよ。
1 Η ΕΞΟΔΟΣ ΤΟΥ ’22 (THE EXIT OF `22) – Mános Koutsangelídis
2 ΤΑ ΚΑΡΑΒΙΑ ΤΗΣ ΞΕΝΙΤΙΑΣ (THE SHIPS OF HOSPITALITY)-Manólis Mitsiás
3 ΜΑΤΩΜΕΝΗ ΠΑΤΡΙΔΑ (BLOODY HOMELAND)-María Soultátou
4 ΟΙ ΦΛΟΓΕΣ ΤΗΣ ΣΜΥΡΝΗΣ (THE FLAMES OF SMYRNA) – Mános Koutsangelídis
5 ΜΕ ΤΗΣ ΟΜΟΡΦΙΑΣ ΤΑ ΝΑΜΑΤΑ (WITH THE BEAUTY OF THE NAMATA)-Georgía Angélou
6 Η ΠΑΤΡΙΔΑ ΤΩΝ ΘΡΙΑΜΒΩΝ (THE HOMELAND OF TRIUMPHS)- Mános Koutsangelídis
7 ΤΟ ΑΡΩΜΑ ΤΗΣ ΑΡΧΟΝΤΙΑΣ (THE SCENT OF THE LORDSHIP)-Georgía Angélou
8 ΚΑΙΣΑΡΕΙΑ (CAESAREA )- Mános Koutsangelídis
9 ΤΟ ΠΑΡΑΜΥΘΙ ΤΗΣ ΓΙΑΓΙΑΣ (GRANDMA’S TALE) -Georgía Angélo
10 ΦΥΛΑΞΕ ΠΑΝΤΟΤΙΝΑ (SAVE FOREVER) -María Soultátou
Manos Koutsagelidis (Qanun, Vocals), Stavros Parginos (Cello, Mandolin), Dimitris Kontonis (Guitars, Bass), Lefteris Frangioudakis (Lute, Oud), Aphrodite Fryda (Accordion), Alexandra Papastergiopoulou (Percussion, Cello), Xenia Dikaiu (Baglama, Tzouras & Voices)
& Pigi Lykoudi (Piano, Compose, Arrange)
蛇足ながら>★