今を去ること21年前のこと(たぶん1989年リリース)、このアルバムに出会って思い出したのは、ビートルズEP「レット・イット・ビー」のB面「ユー・ノウ・マイ・ネーム」でした。そーゆー感じの遊び心、というか冗談というか、意味不明の諧謔がノスタルジックなスウィング・ジャズやラテンを演じることにおいて発揮され、外連味たっぷり全てフェイクの世界を繰り広げてくれるわけで、ま、個人的には、結局そーゆーのが好きなんですね、困ったものです。サー・アリ・ガールズ命名の由来となった3人の女声~キッド・クレオールのココナッツとどっこいの下手コーラスで、トム・ウェイツとどっこいサー・アリの下手ヴォーカルを盛り立て~マンボ・デ・パリ/ストーミー・ウェザー/ビギン・ザ・ビギン/テキーラ/ブルー・モンク等々のお馴染み曲をレトロな感覚で演じてくれる楽しい作。この後、待てど暮らせどセカンド・アルバムは出ませんでしたが…、この再発、皆さんとともに喜びたいと思います。