シルベストレ・メンデスというと、NYシーコやメキシコRCAのサンテロ / ルンバ / グァグァンコー系アルバムが有名ですが、なんとこのアルバムのバックはソノーラ編成、実に粋な仕上がりとなっているわけです。で、おそらくレーベルが違うから、もしそうだとしても隠し通されたでしょうけど、どうも同時期メキシコに常駐していたソノーラ・マタンセーラがバックを務めているんじゃないか?という推理も可能なほどにシンプル&マイルドかつリズミカル、それでもって滑らかでいてファンキーでいてイブシ銀のコクが味わえるシルベストレのヴォイスが加わるわけですから、もうサイコーですね!たった10曲、25分ほどの収録時間ですが、もう、個人的には至福のキューバンですよ。にしてもイイ声だなあ~、作曲家として歌手として最高の境地に達していたコンガ奏者であるにも関わらず、革命後キューバに戻らなかったのが悔やまれますが。で、このシルベストレとフェジョーベとホセー・アントニオをメキシコシティのキューバン・ブラックPOP三羽ガラスと呼んでいるのは勿論わたくしだけです、か?
〜以下、サプライヤーインフォより
1940年~1950年代、好景気で活気づいたメキシコ、特に首都シウダ・デ・メヒコ(メキシコ・シティ)には、多くのキューバ人ミュージシャン、プレス・プラード、ベニー・モレー、エル・グラン・フェジョーベ、キコ・メンディベなどなどが出稼ぎや移住のためやって来ました。その中でも割と早くからメキシコに拠点を移して成功したのが、このシルベストレ・メンデスです。やはりキューバ脱出組のモンゴ・サンタマリーア、フスティ・バレートとは、従兄弟同士と言います。古くからのキューバ~ラテン・ファンには、SEECO盤『ORIZA』が、中村とうよう氏が高く評価したことなどによって有名ですが、こちらは、メキシコ・コロンビア盤のレア・アルバムのリイシューです。『ORIZA』とは違い、全曲小気味良いソノーラ編成(ブラス・セクションがトランペットだけ)の楽団をバックに、軽快に歌っています。このバックは、ソノーラ・マタンセーラじゃないかという人もいるほどに、バックの演奏も素晴らしいものです。ソノーラ・マタンセーラもメキシコにはよく来ていたし、メキシコ・オルフェオンなどに多くのアルバムを残しているので、あながち間違いとは言い切れないのも事実。
それはさておき、本アルバムは、レアで中古アナログ市場では高値で取引されています。さらに嬉しいのは、LP収録の全10曲の他、2曲(「Negra Sensual」「Qué te Pasó」)も追加復刻されていることです。バックの演奏や録音状態もLPの収録曲と親和性が高いので、ひょっとするとシングルだけで発売されたものかも知れません。(クリストバル・アヤラのディスコグラフィーにはこの2曲も含まれているところをみると、オリジナルは、12曲収録だったのかも?)
軽快のな歌い口の中にも、アフロ系のシルベストレ・メンデスらしい、ジャイヴ感ファンキーさが聞いてとれます。
盤起こし?と思われますが、音質はまずまずで解像度よく仕上げています。紙スリーブ・ジャケに、レコードに模した黒色CDが封入されています。
1. Yiri-Yiri-Bom 2:47
2. Mi Bomba Sonó 2:28
3. México Lindo 2:15
4. Matilde Ven 2:45
5. Negra Sensual 2:42
6. Doroteo 2:11
7. David Ya No Quiso el Arpa 2:14
8. Tocineta 2:02
9. No Se Que 2:28
10. Pero Que Suegro 2:05
11. Que Te Pasó 2:20
12. Cuba Es Así 2:47