キューバの基幹音楽ソンの伝統をいまに甦らせたグループがシエラ・マエストラ~グループの結成は1976年。当時は忘れ去られようとしていた20~30年代のソンを取り上げ、若々しい歌とサウンドで甦らせ、ヌエバ・ソンの流れを作り出しました。そのときのリーダーが、ブエナ・ビスタ・プロジェクトの影のプロデューサー、ホァン・デ・マルコス~そんなマルコスが脱退、そしてリード歌手だったホセー・アントニオ・ロドリゲスが亡くなり、グループ存続の危機が噂された中で作られたのがこの新作です。ここで彼らは心機一転。過去の名曲をレパートリーの中心にしていた彼らが、一転して若い世代、いわばシエラ・マエストラが育てた新世代伝統派作曲家たちの作品ばかりを取り上げています。伝統復興の大御所に成長した彼らのいまの姿を現した1枚と言えるでしょう。
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