SEBA IBARRA / TODO ERA PRIMERO

子供向けのプロジェクト、ティエラ・ベルデの第二弾やチャコ州レシステンシアの公的文化助成を受けて制作されたシングルなどを経て、久々となるソロ・フル・アルバムは一聴すると、今までより一層爽快でソリッドに際立った鮮やかな印象を受けます。1stからミキシングにパーカッションに打ち込みに、と制作に欠かせない存在だったマルチ奏者エステバン・ペオンが今回もその現代的な手腕を発揮。鍵盤にベース、サンプラーにミキシングと本作の高度で鮮烈なプロダクションに多大な寄与をしています。ペルー式カホンをメインにしたひとりと、コンガやパンデイロなどブラジルの打楽器を扱うもうひとり、二人のパーカッション奏者がポリリズムを紡ぐ中、今作はガット・ギターのみならず、egの使用頻度も多め。冒頭”Cicatrices” はアフロ・ブラジルとカンドンベのリズムが往来する中を、オーバーダブされた口笛とともに爽快な旋律が吹き抜け、先行シングルとして発表されたm-2″Dos que no tenian nada”、ループとアコースティックのハイブリッドなm-4″Frecha en el viento” や、ギド・ロメロ・シェルフの揺れるトレモロ・ギターが印象的なm-6″Tal vez diamantes”、egのカッティングで刻むリフからファンクやレゲエのエッセンスが感じられるm-8″Dos Soles”など多彩なサウンドの中に、叙情的なセンチメンタリズムを散りばめています。世界のインディー・フォーク的S.S.W.の流れにアルゼンチン・チャコ州のアイデンティティを掲げて切り込んだ、一級品のアルバム。(サプライヤーインフォより)

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