インド洋レユニオン、今現地で大評判の女声デュオ&パーカッション・アンサンブルの5人組、 ” SAODAJ’ ” サオダジ(?)による4年ぶりのセカンド、2018年のミニCD(6曲入り)です。現地を訪れたkyの仲野麻紀さんに買い付けていただいたCDですね(感謝)!早速>こちらで紹介されています。無断リンク陳謝&感謝!
冒頭曲、これまで聞いて来たレユニオンの打楽器音楽であるところのマロヤ系とは、一味違いますね。パンジャブのドールを小型にしたような肩がけの両面太鼓(掌とバチ左右使い分けて叩きます)のビートが効いているからでしょうか? そんな前傾のリズム・アンサンブルに交わって行く二人の女声の爽やかなこと!これまでのレユニオンからは聞こえて来たことのないような溌剌とした感じ、実に新鮮です(ブルガリア女声を想わせたりもして)。2曲目は従来のマロヤ系ハチロクですが、キーボードと弦使いが面白く、3曲目は女声多重録音&男声によるアカペラ・コーラスで始まり、やはり一味違う変拍子パーカッション・アンサンブルが叩かれます。4曲目はビリンバウ状のレユニオンの弓奏打楽器ボブと、ヴァイオリン状の擦弦がブラジル北東部を想わせる使い方がされる中、ハチロクのマロヤ系打楽器アンサンブル&男女コーラスが始まり、フルート即興が加わる変化に富んだ曲。5曲目はタイトルがフルっていますね、“8分の5” ということで8分の5拍子の曲、手拍子とボディ・パーカッション&女声デュオ&低音打楽器に加えレユニオンの金属打楽器、台湾先住民を連想させる男声ヴォーカルも絡みます。そしてラストは通低音風シンセのミスティックな響きの中、クレオール語というよりフランス語の女声が無拍子風にソロを取ります。これまでのフレッシュな感覚の活気ある5曲とはまるで違うところに、なんか、意味がありそうな、そんな曲ですね!?
本人達は汎インド洋〜レユニオン音楽に加えて、オーストロネシアンなフィールを意識している、というようなことを言っているようですが、つまり台湾先住民(現住民)が南太平洋からマレー、インドネシアを抜けてインド洋へと辿り着いた太古の軌跡に残されたオーストロネシア人の共通感覚を音楽に探る、ということでしょうか?ま、理屈はともかく、フレッシュなレユニオン5人組の本邦初登場(?)CDです!