1920年アルジェリア生まれのユダヤ人歌手、パリでフラメンコを歌い人気を得、モロッコでナイト・クラブを経営し成功、一度は引退したそうですが、その引退前60年代の録音集と思われる本CDです~基本的にはアラブ・アンダルース風のバックで、芸人っぽいケレン味のある泣き節を聞かせますが、思いのほか高域で伸びる美声が魅力的。歌の実力はありますね。で、この人の歌、マノネグラやONBもカヴァーしていたということで、なるほど、ちょっとばかりパンキッシュなフィールも曲によっては感じさせもしますが、あのウム・クルスームもこの人のファンだと公言していたそうで、う~ん、なかなか奥行の深い歌い手さんだったのか、興味が募ります。