戦後のアラブ歌謡の新しい動きを象徴するのが、レバノンにおける新世代の登場だった。アラブ歌謡の中心地はエジプトのカイロ。でもそこに割り込んできたのがレバノンのベイルートで、名花ファイルーズをはじめ、たくさんの新世代歌手たちを登場させ、シーンを賑わせた。
そしてファイルーズとともにそんな時代を象徴した歌姫が、このサバハだ。ポップなファイルーズに対して、サバハはコブシをグリグリに回した伝統的な歌声が持ち味。これもレバノン新世代のもうひとつの特徴だった。これはそんな彼女の全盛期である50年代後半あたりの録音を収めた1枚。アラブ歌謡史上最高にソウルフル!と言いたいくらい、極上の歌声を楽しませてくれる。アラブ歌謡の歴史の貴重な1ページだ。
(以上、メーカーインフォより)