RUSTAM QULIYEV / AZERBAIJANI GITARA 

アゼルバイジャンの伝統的旋法ムガームとボリウッドのディスコ・チューンやアフガニスタンのポップ・ソングからイランのストリート・メロディーやスペインのフラメンコまで、世界中のスタイルを、改良エレキギターで結びつけた怪人、ルスタム・グリエフ。始めて世界に向け編集されたアンソロジー・アルバムの登場です。

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旧ソビエト時代の1960年代に、始めてアゼルバイジャンの音楽シーンにエレクトリック・ギターが持ち込まれた初期の段階から、伝統と革新の融合は始まっていたといいます。
まずタールやサズなどの伝統楽器の演奏者がチェコ制のエレキギターを手にすると、チューニングを換えたり弦高を高くしたりフレットを足したりし、アゼルバイジャン音楽用にカスタマイズ。さらにディストーションを導入し伝統的なヴォーカルスタイルの中にあるメリスマも表現したりと、発展していったそうです。
アゼルバイジャンがソビエト連邦から独立すると、チェコ制ギターの替わりに、国内のメーカーがアゼルバイジャン音楽のためにさらにカスタマイズされたエレキの生産を始め、多くの有名ミュージシャンがシーンを盛り上げていったそうです。
そんな中で、一際ユニークな活動をし人気を博したのが、本アルバムのルスタム・グリエフです。1969年生まれの彼は、7歳の時にはすでにタールをマスターし、その後サズを弾くようになったそうです。ソ連軍への兵役中にギターと出会い、帰国後すぐにギタリストとして知れ渡るようになります。1990年代初頭、カラバフ紛争の影響で故郷を追われ、首都バクー郊外に移住。そこで結婚式での演奏、テレビ出演のほか、地元レーベルからカセットも発売し、さらに人気が上昇していきました。
ルスタム・グリエフの音楽の特徴は、⑦⑧⑨のようなアゼルバイジャンの伝統的だけでなく、海外の音楽にも大変な興味を示し、柔軟に取り入れていったことです。曲目表からも解るように、隣国アフガニスタンやイラン(ペルシャ)の音楽を研究したり、⑤では、ボリウッド映画「ディスコ・ダンサー」の名曲「ジミー・ジミー・ジミー・アーハ」をアレンジしたりしています。このように、ルスタム・グリエフはアゼルバイジャンのエレクトリック・ギター・ミュージックのサブカルチャーの中で独自のサウンドを作り上げて言ったというわけです。
しかし、2005年に肺がんとの短い闘病生活の後、突然その活動は終焉を迎えたそうです。(メーカーインフォより)

1. Ay Dili Dili アイ・ディリ・ディリ
2. Aman Tello アマン・テロ
3. Əfqan Musiqisi アフガン音楽
4. İran Təranələri イランの歌
5. Tancor Disko ディスコ・ダンサー
6. Fars Musiqisi ペルシャ音楽
7. Yanıq Kərəmi 焦げたキャラメル
8. Neyçün Gəlməz なぜ来ない
9. Baş Sarıtel サリテル首長

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