レイ・ティコ(1928-2007)は、コスタリカを代表するシンガー・ソングライターで、外国人で唯一キューバの「フィーリン」の誕生時にハバナでそれを体験したとされていますが、海外での活動が多かったことときちんとした録音が発表されていなかったことから、コスタリカ本国でも「伝説の人」となっていました。そんな彼のレパートリーを初めて本国で録音し発売されたのが本作です。2014年5月までコスタリカのチンチージャ政権下で文化大臣を務めた国民的音楽家、マヌエル・オブレゴンが「レイ・ティコの録音をしたい」という強い意志のもと実現させました。しかし、本ライブを録音した直後、レイは帰らぬ人となってしまいました。たっぷりとした歌声、柔らかな音色のギター、キューバのフィーリンの持つ自由な即興性を感じさせるパフォーマンスと、1950年代のラテン世界で浸透していたモダーンなボレロの雰囲気をタップリと味合わせてくれる録音です。さらに、コスタリカという土地柄か、日差しが差し込んで来るような開放感を全編で感じさせてくれるのは面白いところです。1曲目、彼が敬愛するセサル・ポルティージョ・デ・ラ・ルスの「デリリオ」から始まり、数々の自作のオリジナル曲、最後にコンスエロ・ベラスケスの「ベサメ・ムーチョ」で終わる美しいアルバムです。
(以上、サプライヤーインフォより)