コンゴ民主共和国出身で、30年以上海外で活動してきたアフリカ音楽の鬼才レイ・レマ。そんな彼が祖国で、「コンゴ音楽のグランド・マスター」ともいわれる巨星 “フランコ” に捧げた記念碑的コンサートを収録したアルバムの登場です。
● 1946年、現在のコンゴ民主共和国の首都キンシャサに生まれたレイ・レマ。彼は、若くから音楽の才能を認められ、ピアノとオルガンをミサなどで演奏、また正式な西洋音楽の教育も受けました。祖国は1960年にコンゴ共和国として独立、1965年にはクーデターでモブツ大統領が実権を握り1971年に国名がザイールに変更されました。ちょうどその頃に新設されたザイール国立バレエ団の音楽監督を彼は任されるようになります。その仕事で国中を回り才能ある音楽家を集めた時、広大な国土に様々な音楽、歌、踊りがあることを実感、その後の彼の音楽活動に大きく影響を与えることになったそうです。
● しかし、1970年代末にモブツ大統領をたたえるオペラの作曲を拒んだため、国にいられなくなったレイ・レマは、その後30年以上海外を拠点に活動することになりました。最初はU.S.A.で、その後ベルギー、そして最終的にフランスのパリを拠点とし活躍。その過程で、ザ・ポリスのドラマー、スチュワート・コープランド、ブルガリアン・ヴォイス、モロッコのグナワのミュージシャンたち、カメルーンの巨匠マヌ・ディバンゴ、ドイツのジャズ・ピアニスト、ヨアヒム・キューン、フランスのジャズ・ピアニスト、ローラン・ド・ウィルド、そして各国のクラシック・オーケストラなどなど、地域もジャンルも様々なアーティストとアルバムやコンサートで共演し、アフリカ音楽の可能性を追求してきました。
● 2012年に、実に33年ぶりにやっと祖国に戻ることが出来、コンゴ文化へのトリビュート作であるアルバム『Nzimbu』も発表。そのアルバムは高い評価を得ました。そして、昨年(2019年)、「コンゴ音楽のグランド・マスター」ともいわれる、祖国の巨人フランコ(・ルアンボ)をトリビュートするコンサートを開くために再度キンシャサに戻り、熱狂的に民衆に支持されました。本CDは、その模様を収めたアルバムです。
● フランコは、1950~60年頃から、バンド、OKジャズと共にリンガラ(スークース、ルンバ・コンゴレーズ)を音楽スタイルとして完成させたオリジネーターの1人で、その音楽はアフリカ中で親しまれるに至りました。また、フェラ・クティ、マヌ・ディバンゴと共に、世界中のアフリカ音楽ファンやワールド・ミュージック・ファンにも親しまれてきました。また、彼の元からは多くのスターが巣立ち「コンゴ音楽のグラン・マイスター」と言われていましたが、1989年に51歳で亡くなっています。
● 本アルバムは、フランコの主要なレパートリーを取り上げ、オリジナルの大らかなグルーヴ感を保ちつつ、ジャズやクラシックで養われたアレンジ力や現代的な感覚も取り入れて、蘇らせています。メンバーは、ヴォーカル、コーラス以外は若手中心なのですが、素晴らしい演奏力で聴くものを引き付けています。
● なお、このコンサートは、2019年にジャズキフ(JAZZKIF)の一環として行われたものです。ジャズキフとは、2006年から毎年6月に、首都キンシャサで行われている音楽フェスティバルです。
〜以上、国内発売 メーカーインフォより (11/22)
1 Luvumbu Ndoki 5:23
2 Ebale Ya Zaïre 6:13
3 Testament Ya Bowule 6:20
4 Mario 7:45
5 Kinsonia 5:57
6 Liberté 8:54
7 Nani Apedalaki Te 4:12
8 Nakoma Mbanda 7:00
9 Chérie Bondowe 7:56
Bass – Michel Alibo
Drums – Dharil Esso
Guitar – Rodriguez Vangama
Tenor Saxophone – Irving Acao
Trombone – Bives Mbeki
Trumpet – Gérald Bantsimba
Vocals – Ballou Canta, Fredy Massamba
Keyboards, Vocals – Ray Lema
Lyrics By, Composed By – Franco Lumabo Makiadi (tracks: 1, 4-8), Simaro Lutumba (tracks: 2-3), Mayaula Mayoni (tracks: 9)
▽参考