コレを聞かずに真夏のアジアで何を聴く!? でも、このCD、2014年のクメール正月アルバムですが、カンボジアの民俗的音感に満ち満ちたダンス音楽です。ちなみにタイトルの“クロモン360” は『360°(どっちを向いても)女子』というタイトルだそう(アホですな)…。
*なお、こちら簡易ケース入りペラ紙ジャケ状態でお売りしています。よろしく、どうぞ。
★以下、当方が本CDをとあるラジオのコーナーで紹介した時の台本の元原稿より〜
カンボジアはタイ、ラオス、ベトナムと国境を接する東南アジアの国です。人口は1500万、多くはクメール語を話すクメール人の国であり、働いている人の7割が農業に従事する農業国でもあります。
けれど、カンボジアというと、やっぱり悲劇的なイメージが先行してしまいます。1970~90年代初めまで内線が続き、およそ200万人の人々が犠牲になったともされています。
今もって、地雷や貧困の問題を抱えていますが、でも今日は、そんなイメージを吹き飛ばしてくれるような曲を、まず聴いていただきましょう。
TRACK 2 ★PREAP SOVATH / PEL SROVEONG TERB DOENG CHES ROIM
(歌い手は、プリアップ・ソバット、曲名は“ペル・スラブング・テウブ・ドエング・チェ・ロアム”です。)
どうですか?この明るさ、陽気さ。
20世紀の後半において、世界で最も大きな悲劇を被った国の音楽とは思えませんよね。
世界広しと言えど、こんな調子のイイ、あっけらかんとしたパーティー・ソングはナカナカない、と思います。
歌っているのは40代半ば?のプリアップ・ソバット、この人はカンボジアのスーパースターと呼ばれています。
ロック、ヒップホップから、伝統色の強い歌謡曲まで、何でも歌う人だそうです。
それで、この歌、カンボジアのお正月を祝う歌なんですが、実はカンボジアにはお正月が3回あるんですね。
一つは1月、これは世界共通のお正月。
もう一つは2月、これはアジアに共通する旧暦~太陰暦のお正月です。
そしてもう1回は4月、これはクメール暦のお正月で、4月13日が大晦日、4月14日が元旦、ということになるそうで、それぞれキチンとお休みを取って祝われる3回のお正月の中でも、一番大きなお祝いは4月のお正月なんだそうです。
実家へ帰り、一晩中、徹夜でお祝いするそうです。
そんな時に、こんな歌で踊り明かすわけですね。
曲名の意味は、“踊り方を教えてくれる飲み物”といった意味でしょうか?
間違いなく、お酒のことを歌った曲でしょうね。
カンボジアの人々は踊りが大好きで、民謡の分類は踊りの名前で分けています。
この曲は、おそらくロアム・ラムリュというスタイルだと思います。
ロアムというのがダンスという意味です。
それではもう1曲、ロアム・ヴォンという踊りの曲を聴いていただきましょう。
もうちょっとゆっくりした感じの踊り唄ですね。
お隣の国のタイ語で言えば、ラム・ウォン、日本語で言えば、盆踊りといった感じでしょう。
TRACK 4★ SOKUN KANHA / KNONG KHLOUN CHES TAE YANG MECH
(若手女性歌手ソークン・カニャの“クノング・クルーン・チェ・テ・イァング・メック”です)
こちらもクメール正月をお祝いする曲ばかり入った先の曲と同じCDから。
曲名は「いつも、そうなの?」といった意味でしょうか。
ヴァイオリン、というか、中国の胡弓のような弓で弦を弾く楽器の音色が印象的だったかと思いますが、これはトロー・チェーという伝統楽器で、カンボジアの民謡には欠かせない楽器です。
実に可愛らしい、コロコロと転がるようなコブシ使いが耳に残りますね。
というわけで、こんな明るい楽しい歌で踊るのが大好きなカンボジアの人々。
過去にあった大きな歴史的悲劇がそう簡単に人々の記憶から消えることはないでしょうが、そうした悲劇を乗り越えるヴァイタリティーを、カンボジアの人々が持っていることは、音楽を聴けばわかります。
1. Kromom 360 – Sovath
2. Pel Sroveong Terb Doeng Ches Roim – Sovath
3. Bropun Chanh Kon – Sovath
4. Knong Khloun Ches Tae Yang Mech – Kanha
6. Sre Srey Thom Som Ning Nangkoal Bong – Sovath ft Kanha
7. Bong Som Je Moan – Sovath ft Visa
8. Kbal Pous Hong Suy – Sovath
9. Thom Thom Mles Neang – Sovath
10.Pouk Mark Knhom Ban Bropon Bang Phlet – Sovath