アルゼンチンの音楽シーンで、15年来様々なプロジェクトにて活動を共にしてきたボナエレンセ出身のパウラ・スアレス(p,vo) と、リオ・ネグロ出身のモラ・マルティネス(vo, per)。これまでのキャリアで最たるものは、ふたりにフロレンシア・ヒアンマルチェ(g)を加えたフォルクローレ・トリオ – アイママで二枚のアルバムを制作してきたことですが、このトリオを解散後ふたりでタッグを組み、初作をここに完成させました。
“バラのトナーダ”と名付けられた冒頭、小鳥のさえずりにも似たピアノのトリルに導かれたm-3″Como un forrión”、これらの自作曲に吹き込まれた、情感深く慈しむような唄声と、女性らしさがにじみ出る繊細なタッチの演奏。二声の美しいハーモニーの彩りを添えながら繰り広げられる唄世界は、例えるなら現代的に澄んだタンゴ・カンシオンの風情。敬愛するラウル・カルノータ”Pecado de juventud”や、フアン・ファルー”Algo muy aqui”の好カヴァーを交えながら、マルティン・スエーの叙情的なバンドネオンの音色が絶妙なマッチングをみせるm-9″Huella de la sudestada” や、ソラナ・ビデルマンの寂寥感漂うチェロの音色にソフトな唄い口のm-11″La fiebre en los ojos”。コンテンポラリー・フォルクローレのディスコグラフィーにまた完成度の高い一枚が加わりました。「この時代、音楽を作ることは一つの反抗になりえます。友人や愛について歌うことは、私たちの願いを具体的に見つけ出す方法です。」直接的な言葉で唄わなくとも、心に平穏や思いやりを取り戻させてくれる、そんな一枚。(サプライヤーインフォより)>★