1982年生まれ、ナイジェリア南部のニジェール・デルタ右岸に広がるデルタ州出身(イツェキリ人の出自)の人気女優にして女流SSW、オマウミの3作目17年作となります。(デビューCDは09年リリース〜初出演映画は10年に封切り〜09年のアルバムは未聴ですが、>12年のアルバムは、既に昨今のナイジャPOPの隆盛を予言するような作だったんじゃないかと)。で、この5年ぶりの新作、レゴスはもとより、南アのジョハネスバーグ、北米のヒューストン、ナッシュヴィルでも現地スタジオ・ミュージシャン達を招き録音されています。そのUS録音に関しては、ジャズ / ソウル / ファンク/ バラードをグッとアダルトな雰囲気で聞かせてくれもするし、ベナンのアンジェリック・キジョやマリのサリフ・ケイタという豪華ゲストと肩を並べる歌唱を聞かせたり、あるいは、南ア、クワイトのウフル(マキフィゾロのプロデュースで知られる)にアレンジを委ねたり、ま、豪華、ゴージャスなアルバムに仕上がっています(若向きナイジャPOPとは一味ちがうアダルト路線、みたいな雰囲気も漂わせつつ)。ともあれ、その靭やかなヴォイス、タメの効いた瞬発力、スタイルに縛られないスケールの大きな歌声に圧倒されること請け合い。なんだか、よくわからないうちに脱帽です。そして白眉、フェラ・クティ唯一のラヴ・ソング “Ololufe Mi” のジャズ・マナーのカヴァー、というかリメイク、あるいは、レゴスJAZZソングの流れを汲むという “Dolapo” など、聴きどころ満載ですね。それぞれ曲ごとのスタイルの変化をその歌の力で見事に束ねたアルバムとでも言いますか…。イェミ・アラデ姉さんなんかはデビューに際して、多分この人を手本にしている部分もあるんじゃないでしょうか? ま、とりあえず、ダイナマイトですね!