エジプトのヴェンチャーズ、またはベイルートの寺内タケシか? エジプト人ながら70年代戦前のベイルートで、アラブ音楽にエレキギターを持ち込み、ウン ム・クルスームやファリード・エル・アトラシュら第一級の歌手たちに愛され、イケメン俳優としても数々の浮き名を流したオマール・コルシドのベスト盤 2CDが米国SUBLIME FREQUENCIESから登場です。音は60年代のエレキ旋風そのままですが、アラブ古典やベリーダンス音楽のウードをしっかりと下敷きにしています。 しかも儲けたお金でムーグシンセまで買っちゃって、エレキギターとユニゾンかましたり、エレキ+ムーグでタクシムを演奏していたり、カッコ良すぎます。レ バノン内戦とともにエジプトに引き上げ、キャンプデーヴィッド会談にエジプトの文化代表として出席し、イスラエルのメニューインと共演したため、以前から 睨まれていた原理主義者たちによって、36歳で暗殺されてしまいました。時代を駆け抜けた、彼の演奏は今聞いても新鮮です。