ポスクラを踏襲したp+violaデュオ形態でのインプロヴィゼーション、ウリセス・コンティがプロデュース。
前作「Los Peligros Que Nos Rodean」にてまったく音楽理論を勉強せずに感性のみで即興ソロ・ピアノ作品を完成させたニコラス・モギレフスキー。ロシアの革命家レオン・トロツキーの血筋をひき、前衛的な出版社勤務の編集者、舞台俳優、造形作家と様々な顔を持つ彼の二作目は、一聴するとポスト・クラシックの流れを踏んでいることに気付かされます。これは現代音楽の分野で世界レベルに活躍中のUNTREF弦楽四重奏楽団に在籍するマリアノ・マラム(viola) の参加に寄与するもので、音楽における唯一の表現手段と選び取ったインプロヴィゼーション、頭の中に浮かんだイメージを和音構成で具現化するというニコラス・モギレフスキーのピアノでの表現を汲み取って、マリアノ・マラムがヴィオラの弦を擦り旋律を編みイメージを膨らませるという作業。プリプロも行い9篇を構築したのが本作品ですが、理論を飛び越えた抽象的なサウンドを整理しハーモニーの道筋をつけることが、時間や手間のかかる作業であることは想像に難くありません。ですが、ここにあるのは侘しさや美しさ、灰色がかった空を思わせる情景、まるで映画を観ているかのようにシアトリカルなサウンド・スケープ。ウリセス・コンティがプロデュース、マウロ・タラントがミキシング&マスタリング。(サプライヤーインフォより)