ニコ・ロハスは、キューバ最高のギタリストの一人です。そしてフィーリン・ムーヴメントにも関わりました。フィーリンの2大巨匠の1人セサル・ポルティージョ・デ・ラ・ルスは、ニコ・ロハスの功績を讃えたた発言をしています。ニコ・ロハスは裕福な家庭に生まれ、当時のキューバでは珍しくジャズのレコードからクラシックのレコード、さらにキューバ音楽の様々な種類のレコードまで所有し、そのコレクションをフィーリンのアーティストたちに積極的に聴かせたといいます。自身はギターを独学で覚え、クラシック(特に印象派)やジャズのコード感や複雑なメロディを他のアーティストたちに提案したそうで、特にクラシック的な手法をフィーリンに取り入れるべきであると主張した人だったそうです。そして、そんなニコ・ロハスの演奏は、ジャズのスウィング感、クラシックのコード感、さらにもちろんキューバの様々な音楽のリズム感や歌心を同時進行で聴かせるもので、一聴すると、どのジャンルの音楽でもありながら、どのジャンルの音楽でもない独自なものと感じさせます。本CDは数少ないソロ・アルバムから(たった2枚)、完全ギターソロを聞かせる1964年のインスト・アルバムの複刻盤となります。