久々の再入荷です。
>こちらの続編ですね、
冒頭曲は『ムサス vol.2』(2018) 収録曲のセルフ・カヴァー、ギター&フリューゲルホーンのみの伴奏で物語歌のように、長尺で歌っています。
そして2曲目、個人的に大好きな曲、メキシコの俳優で国民的ランチェラ / ボレロ系男性歌手、ペドロ・インファンテ、1953年10月の名曲中の名曲 “シエン・アニョス” 、とうとう歌ってくれましたね。とはいえ、主役は俳優で歌い手のぺぺ・アギラール(1968-)、それなりに往年のインファンテを連想させる歌い口を聞かせてくれます。その分、ナタリアはコーラス・パートのように、メロディーを崩して自由に歌っています。オリジナルのペダル・スティール・ギターの出だしが、そのまま再現されているのが、なんとも嬉しいですね…。
エクアドル出身ながら、メキシコをはじめ中南米全域で人気のあったパシージョの歌い手にして作曲家、ぺぺ・ハラミージョの “アルマ・ミア” 、そして、メドレーで、キューバ出身のフィーリン系ピアノ弾き語り、『ムサス vol.1』(2017)でもオマーラ・ポルトゥオンドとデュエットしていました…作曲家にしてピアニストの、フランク・ドミンゲス “トゥ・メ・アコンストゥブラステ”、そして同じく『ムサス vol.1』収録の、ナタリア自らの作曲した “ソレダー・イ・エル・マール” をボレロ・メドレー風に歌う3曲目、ナタリアがソロで淡々と歌っています。
4曲目、現行 “ランチェラの女王” ともされるアイダ・クエバス57歳と歌う “ルス・デ・ルナ” は、ハビエル・ソリス1965年のヒットで知られるカンシオン・ランチェラのスタンダード、『ムサス vol.2』でも、ナタリアが歌っていた曲ですね。実にオーソドックスな伴奏の中、ナタリアとアイダ・クエヴァスの歌い口のコントラストが浮き彫りにされます。
5曲目、メドレーとなる “ラ・トレンサ〜アモール・コンプレト” は、チリ出身、現在メキシコで活躍するモン・ラフェルテの自作2曲を、ラフェルテ自身をゲストに、ナタリアと交互にランチェラ仕立てで歌っています。
6曲目は、何度もナタリアと共演している、ベラクルスのソン・ハローチョに特化したロス・コホリーテスの17年作アルバムへのナタリア客演ナンバーの再演ですね。
7曲目は若手カルロス・リベーラ(明日のジョー!ではない)の2017年のバラーダ系ヒット曲を、古いカンシオン風の伴奏で、ナタリアとリベーラ自身が交互に歌います。
8曲目、ベラクルス出身の若手女性SSW、シルバナ・エストラーダと、モンタレイ出身49歳のロック系女性SSW、エリィ・グエーラとのトリオで、本作冒頭でも歌っている “ラ・ジョローナ” を再び歌っています。ここでは、ストリングやアルパ、マリアッチ風ブラスも加わったバックにおいて、3者交代で歌い綴ります。
9曲目、キューバ出身のボレロ女声スター、オルガ・ギジョ、1976年の “ソイ・ロ・プロヒビド” を、メキシコを代表する男声スター、ルイス・ミゲルが18年にカヴァー・ヒットさせたランチェラ・ヴァージョンに準じたアレンジにおいて、ナタリアとカエターノ・ヴェローゾが、実にゴージャスに再度カヴァーしてくれました。カエターノのスペイン語歌は久しぶりじゃないでしょうか?
『ムサス vol.1』収録のクンビア曲 “トゥ・シ・サベス・キエレメ” を、言わずと知れたサルサ界のルベン・ブラデスと、オアハカのインディオ系女性ラッパー、マレ・アドベルテンシア・リリカ、そしてナタリアの3者共演で歌った10曲目。
ラストはナタリア2015年アルバム収録曲 “ラ・ケ・スフリル” をウルグアイのホルヘ・ドレクスレルを招いてセルフ・カヴァーしています。
というわけで、やや多めのセルフ・カヴァー曲ですが、意匠アレンジも新装、新たな魅力を感じさるに充分ですね、〜『ムサス』連作から続く、メキシコ歌謡の世界を懐古し、振り返るような作品群の、その総集編とでも言えそうな内容かと思います。
1 “La Llorona” (versión acústica)
2 “Cien Años” con Pepe Aguilar
3 “Alma mía – Tú me acostumbraste – Soledad y el mar”
4 “Luz de Luna” con Aida Cuevas
5 “La trenza – Amor completo” con Mon Laferte
6 “Nada es verdad” con Los Cojolites
7 “Recuérdame” con Carlos Rivera
8 “La Llorona” con Silvana Estrada & Ely Guerra
9 “Soy lo prohibido” con Caetano Veloso
10 “Tú sí sabes quererme” con Rubén Blades & Mare Advertencia
11 “Para qué sufrir” (versión acústica) con Jorge Drexler