その名はムイワ・クンヌジ、フェラ・クティの最後のバンド、1983年にスタートした”エジプト80”で、90年代以降トランペッターをつとめた男だそうです。う〜ん、知りませんでした。
その後、エジプト80を引き継いだシェウン・クティと行動をともにしていたようですが、2010年代半ばに主にフランス人をメンバーとする自らのバンド “オセマコ”を結成、2016年にデビュー・アルバム>★をリリース〜やっぱり、こちらも知りませんでしたが…、このほど After You で bunboni さんが紹介されていた本作で、初めて聴くことができたのでした。
なるほど、ハイライフ調?かと思いきや、南アフリカはマラービ風のトランペットやルンバ・コンゴレーズ風ギターまで援用しながら、いつの間にか、またハイライフ調で終わって行く冒頭曲からして、ナカナカどーして、タダモノじゃない感は伝わります。
一聴、何を演りたいのか、よくわかりませんでしたが、続く2曲目では、ホーンズの切れ味も鋭い直球アフロビートらしいスタートを切りつつも、次第に、アフロビートにしては腰の座らないクラーベの細かい拍子とギター&エレピの複合フレイズが、くぐもったベース音とともに弾力性のあるグルーヴを生み出し、そこに、癖のあるムイワ・クンヌジの奔放とも投げやりとも聞こえるヴォーカルが乗って行くさまは、なんかずく、定型イメージを嫌い、流動的なスタイルでアフロビートを演じたい、という欲求みたいなものを感じさせます。
せわしないと言ってもいい3曲目の寸止めアフロ・ファンク調? 続く抑えの効いたトランペット・ソロとホーンズの応酬で始まる4曲目、その前傾アフロビートをつなぎつつも、応答形式の、歌とコーラスを畳み掛けて行くトライバルな雰囲気のアフロビート5曲目、そして、ハチロク・ビートのハイライフ調?というか、イボ人のナチュラル・ブルースを牧歌的に演じたようなラスト6曲目…という具合に、時にアフロビートのイメージから逸脱しつつ、アフロビートの魅力の幅を広げて行くようにも聞こえるこのムイワ・クンヌジ&オセマコ、このジャンルで、久しぶりに面白いものを聞かせてもらった気がします。
無断リンク陳謝&感謝!>https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-12-09
1.Bro Hugh 05:21
2.Oshelu 06:00
3.Meeting Point 05:11
4.Recipe Of Death 06:08
5.GOA (Giant Of Africa) 05:15
6.Sanitize Your Heart 06:54
Muyiwa KUNNUJI : Trumpet, Lead Vocals, Shekere
Julien GIMBERT : Bass, Back-up vocals
Vincent BAURENS : Drums, Back-up vocals
Christophe NATALE : Alto saxophone, Claves, Back-up vocals
Jerome CHALENDARD : Tenor / Baritone sax, Back-up vocals
Tom Pablo GAREIL : Vibraphone, Keys, Back-up vocals
Clement PASANAU : Guitar
Thomas DARTHIAIL : Congas
Tiffany POIRIER : Back-up vocals
Baptiste CLERC : Guitar, Back-up vocals on tracks 1 & 3