トルコで初めて、宗教的な背景を持たない歌曲を創始した作曲家/人気歌手として、トルコ大衆歌謡のスタート地点に大きな位置を占める~1900年生まれのミュニール・ヌーレッティン・セルチュク=そんな歴史的音楽家の1999年現地リリース4CDsセットが本邦初入荷しました!が、なんと音源は1970/71年録音とブックレットにあります。既に70歳を超えた時期の作品集ということで、う~ん、ちょっと半信半疑?というのも、ヌーレッティンの全盛期は、40年代末から50年代にかけてとされていますが、当時の歌声と較べても、そう遜色のない歌が、この4CDsで聞けるからで、何かの間違いじゃないか、という懸念が拭えません。もし、70年という録音時期が正しいとしたら(正しいそうです)、ヌーレッティン、タダ者ではありませんね、って、はじめからタダ者ではないんですが…。とはいえ、トルコならではの各種弦楽器を前面に繰り広げられるオーケストレーションと、清々しい女声コーラスに囲まれてソロをとるヌーレッティンの、その朗々とした歌い口、たゆたうようなメリスマ、聴き応え充分です。とりあえず、オスマン朝末期からのキャリアを持つヌーレッティン、長い道のりの末に辿り着いた円熟の境地、ということで間違いはないと思われます…。(なお、こちら、1983年にトルコ現地レーベルより6枚のLPシリーズとして発売されたもののCD化です!)静かです。悠々としています。喜怒哀楽とは離れたものを感じます。