11のタクシーム(トルコの古典旋法)に則った即興演奏をウード一本で聞かせるミタット・ジョムレクチェの13年リリース / 独奏CDです。1983年に、トルコの古都コンヤで、やはりウード奏者であった父のもとに生まれたそうですが、その後2001年に古典音楽を学び大学を卒業、その後はインストラクターとして、ウードやタンブールを教えて来たといいます。そして本作がソロ・デビュー・アルバムということになります。…しっかし、未だ30歳にしてこの落ち着き払ったヴァーチュオーゾぶり、行く末が楽しみですねえ。本作におきましては、テクニック / 指さばきよりも、旋律の流れが先に伝わってくるそのソロ演奏、なによりも嬉しいことに、実にウードらしい響きにおいて録音された作であり、こういうCD、ありそーでなかなかないんです。愛聴に値する作だと思います。やわらかでいて幽玄、しんとして独りになって、悠久を漂うような気持ちになれる、いいウード演奏だと思います。